いつの間にか、みんな年下。
元横綱の曙が亡くなったらしい。日本の国技である相撲。それが世界への扉を開くきっかけをくれた曙。
貴乃花、若乃花、武蔵丸、そして曙。力士ってみんな名前がかっちょいいなぁ。
曙ってめちゃくちゃ「戦艦」って感じで強そう。3発くらいの魚雷では沈まなさそうな感じがする。
そんなニュースを見て思ったのは、いま相撲界で現役で活躍する力士たちのほとんどが、私よりも年下になっているという事実である。
私はいま33歳だが、小さなころに相撲を見ていたときは、テレビ越しに裸でぶつかる力士たちは全員年上の大人だったはずなのに。まさに「月日は百代の過客にして」ってやつだ。私も歳を重ねたなぁ。
いつの間にか年下になっていて驚くシリーズといえば、甲子園球児もその筆頭だった。これまた小さなころから見ている甲子園。出てる選手はみな高校生で、少年だった私からすれば高校球児というのは、自分なんかよりも遥かに年上の、なおかつ努力を重ねている人たち。
いつのころからか、テレビで甲子園をみても「あぁ、高校生が頑張ってるわい、おれよりも年下の高校生だ」と思うようになり、年齢に対する違和感は感じなくなった。
同じことはサッカーにも言える。
中田英寿がヨーロッパに渡ったのは、たしか彼が20歳とか21歳くらいのときだった。当時は「うわ、すげえナカタ」と思ったくらいで、自分よりもこれまた遥かに年上の雲の上の人。
いつからか日本でも世界でも、私よりも年下の連中が活躍しだして、いまではフランス代表のキリアン・エムバペくんは世界最高の選手の1人にカウントされている。年下のくせに。ターボくんめ。
要するに、年下が活躍しだすと焦る。
できれば世間で注目される人たちは全員私よりも年上であってほしい。だって、私が努力していないみたいじゃないか。いやそうなんだけど。私はとにかく卑しい人間なのだ。
誰かの活躍を見て、勝手に負けた気分になったとき、相手が年上ならば「っかーー、やっぱ俺より早く生まれてっからなー」と言い訳もできる。が、年下だとどうだ。言い訳ができないじゃないか。
生まれる場所? 育った環境?
この辺がよかったからだ! と言い訳をしていたがそれもこれも全て、岩手は奥州出身の大谷翔平くんがぶち壊してしまった。
テレビで女子アナを見ているときも同じものを感じる。クソッタレ! こいつもあいつも俺より年下ではないか! くそ! なんでだ!
いつのまにか1995年うまれの連中が幅をきかせる世の中になったんだ!? 俺は一体なにをしているのか!
って、思うんだけど、
これまた言い訳的に書くとすれば、人にはそれぞれ役割とタイミングがある。若いうちから成功し注目されると、そのあとの人生が大変そうだ。なぜなら世間が作る虚構の上を歩かねばなるまい。
たしかな実力があれば心配はいらない。だが、若いうちからの成功者がハリボテだったというケースもある(あるっけ?)。
そういやヒカキンが出てきたころ「好きなことで生きていく」を標榜して世間の注目を浴びていたあのころ、私は血相変えてヒカキンの年齢を検索した。
ヒカキンは私のひとつ年上。
そんな検索結果をみて「うひょーーー! やっぱそうだよね! そうに決まってる!」と思って、彼が私よりも年上だからこそあそこまでいったのだとウキウキしながら「仕方ない仕方ない」と言っていた私。しかし「おい、YouTuberども、道を開けろ」と言っているコムドットを見てみると、全員遥かに年下だ。
くそ! ぼけ!
BTS? 俺より全員年下! ふざけんな!
何の取り柄もない凡人である私は、70歳くらいで何かしらができたらいいのかな、と考えたりもする。いや、うそ。
本当は今すぐにでも、何かを成し遂げたい。
とはいえ年齢を気にしている時点で、終わってるなぁ俺、なんて思ったりもするわけ。このnoteにおいても、私より遥かに年下の人たちがいることに愕然とする。
いつまでも誰かの年下でいたいものだよ。
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