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Vライバー事務所からのスカウトを面談で激詰めした話【後編】

<前章>

Vライバー事務所からのスカウトを面談で激詰めした話【前編】

いよいよ反撃!爆笑の質疑応答タイム


担当者:それでは、契約に移る前に何か質問はございますか?^^

きいちろ:ええ、何点か質問がございます
☺️

担当者:はいっ?

きいちろ:まず、会社の実態として場所はどちらにございますか?

担当者:えっ……一応ホームページの方に記載があるんですけど…

きいちろ:ええ。ですから所在地はどこですか?

担当者:えーと…弊社が株式会社
⚪︎⚪︎という会社の××というライバーの事業部になるので、会社自体は株式会社⚪︎⚪︎という会社になるんですけどぉー…

きいちろ:(質問の回答になってないぞ)では、その
⚪︎⚪︎という会社の所在地と同じという認識でよろしいですか?

担当者:あ、はい左様でございます。

きいちろ:代表者の方はどなたですか?

担当者:はい?あ、えーと、そちらもホームページに記載されていると思うんですけど…

きいちろ:ええ。ですから代表者の名前は?

担当者:えーとですね…弊社の代表取締役は……N川という者になります。

その時の筆者の様子

おいおい大丈夫なのかこの会社は。営業の社員が会社の場所もわからなければ代表者の名前もパッと出てこない。この質問の意図は、ライバー事務所はそもそも組織としての実態が無かったり責任の所在をはぐらかして追求できなくする傾向があるため、まずは会社が存在しているかどうか、そして責任者は誰なのかを明確にする必要があるからだ。だいたい質問に対してホームページに書いてあるからといってすぐに答えられない、答えようとしないのは営業の姿勢として失格だろう。

きいちろ:ライバー1人あたりに何人のマネージャーが付きますか?

担当者:えっとそうですね…時期にもよるのと、担当者によっても変わるので、少ない担当者だと10名くらいで多いと4〜50名ぐらいになるかと思います。

きいちろ:ん?ライバー1人にですよ?

担当者:えっ…?

きいちろ:ライバー1人あたりの人数ですよ?

担当者:えっと…

きいちろ:マネージャー1人あたりが抱える人数ではなくて、ライバー1人あたりに何人のスタッフが関わるのかを知りたいです。

担当者:ああ!基本的にはマネージャーが1人となっています!

その時の筆者の様子

人の話をちゃんと聞いているのだろうか?早くもコミュニケーション能力に暗雲が立ち込めてきた。ライバー1人にマネージャーが1人つくとのことだが、こんなコミュニケーション能力でちゃんと連携はとっていけるのだろうか?

きいちろ:イベントで入賞するとLive2D化の特典があると動画で説明されていましたが、御社にはLive2Dの技術者がいるということでしょうか?

担当者:えっと…すみません電波が悪くてよく聞き取れなかったのですが…

きいちろ:(深いため息)もう一度聞きますね?御社にLive 2Dの技術者がいるかどうか?

担当者:あ、はい。えっと弊社に技術者が所属しているわけじゃn

きいちろ:外部委託ですね?

担当者:あ…はい左様でございます…

その時の筆者の様子

正直この辺から受け答えの鈍臭さにイラついて話し終わるのを待たずに被せ気味で喋ってしまっていたように思う。ただまあこちらが聞いてることはとても初歩的な内容なのでこの辺の質問にはパッパと答えて欲しいものである。

きいちろ:配信利益の取り分については、まずIRIAMが8割持っていくわけですよね?残りの2割がバックされて、それを7:3で分けるということですが、御社が7割でライバーが3割ですか?

担当者:えっと…ではなくて、ライバーさんが7割で弊社が3割となっています。先ほどの動画でもあったと思うのですが…

そんなことはわかっている。ここであえて逆にして質問をしたのは言質を取るためだ。5年前の資料を平気で垂れ流すような会社である。配信のノルマを後から訂正してきたように取り分も覆してくる可能性があるからだ。それを覆させないため、そして次に質問する内容のための布石である。

きいちろ:なるほど、御社が3割なんですね。それだけだと相当収益が厳しいと思うのですが、御社は他でどうマネタイズしていますか?

担当者:えっと…それはどういう…

きいちろ:例えばIRIAM側から何らかのバックマージンだったりとかが発生していたりとかですね…

担当者:あー…えっと…ちょっと正直その辺に関しては…

きいちろ:答えられないのが答えということですね?

担当者:………はい…

ここでハッキリと否定できないのは、もう白状したも同然である。

きいちろ:わかりました。では次に御社の介在価値を教えてください。動画の説明にあったこと以外で御社がマネジメントする強みはありますか?

担当者:そうですね…まぁ、マネージャーとのやりとりはDMとかではなく公式LINEの方でやりとりをしているので、オンラインということではなk

きいちろ:LINEもオンラインですけどね。どのようなやりとりですか?

担当者:えっとそこで配信にリスナーが来ない時に話を聞いてアドバイスをしたりとかですね、公式LINEでご連絡いただければZoom等で悩み事の相談だったりアドバイスだったりをさせて頂いています。

きいちろ:……ん?それだけですか?

まさかLINEで悩み相談とやらをしていることが強みだとか言い出すんじゃあるまいなこいつは。

担当者:あとはですね…案件とかはですね個人の方に比べるとやはり事務所所属ライバーの方が来やすかったりというメリットはありますね。

きいちろ:…今おっしゃった 2点だとそれは他のプロダクションでもやっていることですよね?御社は「うちはこういうサポートが強い」というのは何かあります?

担当者:そうですね…一応Vtuberチップスとかそういう商品に弊社の所属ライバーを掲載させてもらったりしているので、Vライバー事務所で掲載させてもらえることは中々ないと思っております…あとはゲーム案件ですt

きいちろ:あ、はいもう結構です
🤦‍♂️

ダメだこりゃ…誰がポテトチップスになりたくてVライバーをやりたいと思うのだろうか。だいたいなんだVtuberチップスって。プロ野球チップスみたいなものか?誰が買うんだそんなモン。これで介在価値がゼロに等しいことが確定した。これ以上そこを聞いても時間の無駄である。

他にもいくつか質問をしたが、ここに書くまでもないことだし全部書くのは正直面倒なので割愛する。そして、最後の最後に僕は爆弾をぶっ込んでみた。

きいちろ:ところで御社の説明用の動画に映し出されていた資料についてなんですが、ホ⚫︎ライブさんのVtuberを挿絵に使用されていますよね?何か許可とかとられているんですか?

担当者:あっ…えっと…

きいちろ:しかも桐
⚫︎ココさんとか潤⚫︎るしあさんみたいな既に引退されているVtuberさんのイメージを使っていますよね?

担当者:それはその…資料がちょっと古いのもありまして…

きいちろ:(そりゃそうだろうね)引退済みのVtuberなら無断で使用していいんですか?それについてはどう思いますか?

担当者:あの…えーと…あくまで社外秘の資料でして外部には…

きいちろ:社外秘の資料であれば他社ライバーの画像を使っていいと、そうお考えなんですね?

担当者:あの…はい…

その時の筆者の様子

いよいよ本格的にヤバいぞこの会社。いくら社外秘の資料とはいえ他社のVライバーのイメージを無断で使用して良いはずがない。そもそもまだ契約していない相手に見せている時点でそれは社外秘扱いになってないじゃないかという話でもある。コンプラがもうガッバガバである。

僕からの「お前ヤバいぞそれ」という空気を感じ取ったのだろうか、担当者の女性はこう切り出してきた。

担当者:すみません…そろそろZoomのプランの関係でそろそろお時間なのですか…

きいちろ:ああ…はいwwwわかりましたwww

担当者:何か他にも質問がごz

きいちろ:いいえ、もう結構です。検討してまたDMでお返事させて頂きますね
☺️

担当者:あ、はい。本日は貴重なお時間をありがとうございました。

きいちろ:はい。ありがとうございました。

担当者:失礼します(ブチッ

まるで便意を我慢している人かのような素早い退散っぷりであった。無理もない。こんな苦痛からはいち早く逃げ出したかったことだろう。彼女にとってこれほど長い40分間は今までの人生で無かったんじゃなかろうか?ここらで勘弁してやるかと時計を見ると35分しか経っていなかった。どうやらあと5分耐えられる自信がなかったらしい(笑)

Vライバーになりたいスプナーへ

こうして録音を終えた僕は、その日の夜にFAN限でその模様をツッコミを入れながら配信をした。皮肉なことに、ここ半年で最高のアクティブ数を叩き出した。喜ぶべきか…悲しむべきか…。しかし、リスナーの皆さんにとっては楽しんでもらえる配信が出来たと思う。

そこで話しながら気づいたことなのだが、事務所に所属したところで大手プロダクションのようなLive2Dで動かせるようなVtuberになれるわけではないし、結局は静止画を背景に声だけで配信をするなら、我々がいつもSpoonでしている配信と何ら変わりないということである。

僕だってそうだ。きいちろこと湊麒一郎という名前や沖縄県名古屋市という架空の場所を用意してアイコンや背景という“ガワ”を被って弾き語りをしているにすぎない。IRIAMで配信しているVライバーとやっていることは同じである。

すなわち、Spoonで配信している人は、もれなくVライバーなのである。事務所に所属して架空の名前や設定を用意して中の人を演じないとVライバーと名乗ってはいけないと誰が決めたのだろうか?胸を張ってVライバーを名乗りいつもの自分をSpoonで配信していればいいのだ。

だから目先の承認欲求をくすぐるような甘い言葉で勧誘してくる事務所に騙されてはいけない。彼らはあなた方にタダでVライバーにしてあげると言ってくるだろう。しかし彼らは、あなたから何よりも大事な資源を奪おうとしていることを忘れてはならない。先日の枠やこのnoteが少しでもそういう被害に遭う人を減らしてくれることを願ってやみません。

おわりに僕がライバー事務所の担当者に送った“お祈りDM”を添えておきます。

“お祈りDM”を丁重にお送りした

おしまい。

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