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ロードレースチームを支える専属メカニックの工具箱を覗き見!その1

2023年5月21日から28日の8日間にかけて開催されていた、国内最大規模の自転車ロードレース『ツアー・オブ・ジャパン2023』。
大阪の堺からスタートし、京都、いなべ、美濃、信州飯田、富士山、相模原、東京と1日ずつ会場を移動して競うステージレースです。(驚くことに休憩日なし!毎日が試合です)

今回、そんなツアー・オブ・ジャパンで戦う『さいたま那須サンブレイブ』チーム専属メカニックの三木さんに取材させていただくことができました!

ツアー・オブ・ジャパンで戦う選手(公式HP チーム紹介ページより)

選手の身体の一部ともいえる自転車

チームを支える専属メカニックという存在

速く走るために無駄なものを一切そぎ落とした自転車(ロードバイク)で順番やタイムを競う"ロードレース"
そんなロードレースで戦う選手たちにとって、自転車は身体の一部といっても過言ではありません。(たとえ身体のコンディションは万全でも、自転車に不具合があればレースを100%の力で走ることができません)

また、時には時速70kmを超えるスピードで走るロードバイク。
安全に走るためにも、きちんとしたメンテナンスは必要不可欠です。

選手たちは自分の身体ともいえる自転車を、信頼しているメカニックに託します。
選手それぞれのクセや好みを把握し自転車の性能を責任を持ってベストな状態にする、チームのメカニックはまさに「プロの仕事」です。

さいたま那須サンブレイブのチーム専属のメカニックとして活躍している三木さん。
選手と同じ寮に住み、普段からコミュニケーションを密に取っているそうです。

チーム専属メカニックの仕事

チーム専属のメカニックは各地でのロードレースに帯同し、選手たちをサポートします。
選手よりももっと早く会場に入って自転車の最終調整を行い、レース中は自転車集団の後ろを走るチームカーに乗りレースを追走!
チームカーはレース中の故障やトラブルにいち早く対応するほか、選手のエネルギー補給なども行います。

レース中のトラブルにすぐに対応できるように
スペアの自転車やタイヤ、工具を乗せたチームカー

レース後は翌日の試合に向けて自転車をピカピカに洗い、不具合が無いかを1台1台全て確認。(やはり1試合終えると砂や泥などの汚れが付着するそうです)
タイヤを外し、洗い終わったらギアやブレーキの確認をしてもう一度タイヤを取り付けます。
チーム6人分のバイクを1~2人で担当しており、トラブルがあった日など日によっては全ての作業が終わるのは深夜になることも…
なので、作業効率のアップは必要不可欠です。

翌日のレースに向けて黙々と整備をする三木さん

走れるメカニックを目指して

高校卒業後は自転車を学ぶ専門学校に進み、若いながらもチームの専属メカニックとして活躍する三木さん。
三木さんはメカニックでありながら自身もロードバイクで走ることが大好きだそう。
「自らが走ることで選手のこともより理解でき、さらにメカニックとしても腕を上げられたら」と仰っていました。
お話を伺っている中で、選手だけでなくスタッフも含めチームが一丸となって"勝ち"に向かっていることがとても印象的でした。


プロのメカニックが愛用する工具

今回は、弊社からさいたま那須サンブレイブチームへ工具を貸し出し、実際に使っていただきました。
その他、三木さんが普段から愛用している工具についても教えていただきました!

PB Swiss Tools|ローレット入り六角棒レンチセット(3212.LH-10)

日々のメンテナンスでヘビーユーズ

今回の密着で、ダントツで使用頻度が高かったのが、スイスの作業工具メーカー『PB Swiss Tools』のローレット入り六角棒レンチセット
PB Swiss Toolsの工具は、その精度や品質の高さが人気の理由です。
このレンチはタイヤの着脱などマルチに大活躍!
水やグリスなどで濡れた手でも滑らず、作業効率も上がるのでもう手放せない!とのこと。
丸軸なので、カッチリとした感触で締めつけ&緩めができます。
今まで使ってきた六角レンチの中で一番いい!!と仰っていました。


PB Swiss Tools|インサイダー ビット収納ドライバー(6464)

トラブル時にサッと大活躍!

こちらもPB Swiss Toolsの製品。
PB Swiss Toolsのドライバーは先端精度に優れ、ネジにしっかりと食い込みます。
このインサイダーサイズや形状の異なるビット8個がグリップに内蔵されており、これ1本で大体の作業はカバーできるスグレモノ!
8本のドライバーの代わりになるので、持ち運びにとても便利です。
(三木さんも持ち運び用の工具としていつも携帯しているんだとか)


KNIPEX|クランプ付きスーパーニッパー(7813-125)

ロードレースでは何かとインシュロックを切るタイミングが多いそう。

細かい箇所でもきれいに切れること、切り取ったインシュロックが飛んでいかないことがお気に入りのポイント。
仮に切断面が飛び出ていると、レース中に選手の足が当たってしまい怪我に繋がる可能性もあります。
サイズ感もこのくらいが扱いやすくベストだそうです!


PARK TOOL|スライディングTハンドルヘックスレンチセット(THH-1)

T字タイプのレンチで素早く締め付けができる点がポイント!
ディスクキャリパーの位置調整に良く使っているそうです。
普通のレンチだと仮締めがボールポイントになってしまうが、これは本締めまではいかないもののそれなりの力でボルトが締まるので重宝しているとのこと。


今回買い物リストに追加された工具たち

今回お貸しした工具の中で、これめちゃくちゃいいから買います!と気に入っていただいた工具もいくつかご紹介!

PB Swiss Tools|バイクツールセット(470)
自らもロードバイクに乗るということで、携帯工具にいいなぁと興味津々だったのがこちら。
タイヤレバー2本、ビット8本、六角レンチと装着用のアダプター等、必要なものがポケットに入るサイズに集約されている、商品名の通り自転車に特化したアイテムです。

忘れないように写真を撮る三木さん


KNIPEX|ツイングリップ(8201-200SB)

このスリップジョイントプライヤーはあごの先端に特徴があり、縦方向に溝が彫られているため縦にネジを掴んで回すことができます。
つまり、角がなめてしまったナットやねじ穴がなめてしまったネジを取り外せる工具です。
自転車も固着してしまったネジを外さなければいけない場面が多々あるそうで、これは便利かも…!と好評でした。

KNIPEXの人気商品『コブラ』のように、プッシュボタンで開き幅を調節できます。
ネジを縦に掴むことができるアゴの溝

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今回は、さいたま那須サンブレイブの専属メカニックである三木さんに密着し、日々の作業やお気に入りの工具について教えていただきました。
初めて触れるロードレースの世界はすごく興味深かったです!
選手を支えるメカニックが使う工具…そんな工具達が今まで以上にかっこよく思えました。

次回は、なんと筆者がチームカーに乗ってレースに参加した時のレポートと併せて、他チームのメカニックの工具箱もご紹介!
いなべステージ、美濃ステージの試合の様子もお届けします!