アンティーカ

6/29、雨(日記、アンティーカについてのあれこれ)

・なんだか朝からやる気が出ない。いやそりゃいつものことなんだけれど。特に。相対的に。

・文スト3期最終回ということで昨日から皆ワイワイしている。今クールはさらざんまい もあって「ひえ〜っ」となりちょこちょことしか見れていない。だってこえ〜んだもん。アニメ鑑賞はこわい。

・ぼんやりとアンティーカについて考える。(はじめたばっかしだから全部コミュ読めてないけれど)
※アンティーカ……シャニマスに出てくるユニットの一つ。

恐山さんもこんなこと言ってたけど、アンティーカは明らかに恋鐘だけ生きているレイヤーが違う。
僕は月岡恋鐘という人は生まれつきのアイドルだと思っている。彼女は別にアイドルという肩書きが無くても、あまねく場所でアイドルであり続ける人だと思う。実家の定食屋を手伝っていた時も間違いなく彼女はアイドルに違いなかった。そして彼女自身そういう自分自身を受け入れて肯定もしている。多分彼女はポストアポカリプスな世界にあってもアイドルだ。そこまで飛躍せずとも、例えば事故で顔がズタズタになったりとか、何かの事情で人生が上手くいかなくてホームレスになったりしても、彼女はアイドルであり続けると僕は思う。
翻ってじゃあ他のアンティーカ達がどうかと言うと、そこまでの大惨事があったらアイドルではいられないと思う。

・幽谷霧子は「他者を傷つけないこと」を最も優先するから、アイドルという在り方が強い加害性を持った時点でやめてしまうと思う。オーディションが持つ加害性に対してだって相当葛藤した上でやっている彼女だから。「人に迷惑をかけたくない・傷つけたくない」をしきりに繰り返していて、そういうところが怖い。

・三峰結華は自分が出来ることと出来ないことを必要以上に分かりすぎているきらいがあるというか(もちろんそれを越えようという努力をした上で)。そんな感じ。最大限努力はするけど、それはコントロールされた努力であって、無鉄砲じゃない。そのあたり恋鐘はぶっ壊れてしまっているので、ホームレスになっても世界が滅びてもアイドルをしている。三峰はそれを最大限応援してサポートは出来ても、舞台に上がるまでは無理なんじゃなかろうか。アンティーカでも自分が前に出て、というよりは、他の皆のポテンシャルを引き出してやるぜ~という方向に情熱を燃やしている感じがする。闇鍋にうどんを入れるというところがもうね。三峰は自分から進んで「闇鍋のうどん」になろうとする。もちろんアイドルとして選ばれたことは誇りに思っているし、アイドルになろうという努力だってマジでやってるけど。賢しすぎるんだよなこの子は。なんでも分かりすぎる。

・白瀬咲耶は「お前がアイドル辞めたら皆が助かるよ」と言われたらすっぱりやめてしまいそう。メンバーで一番危うい気がする。ファンレターに一通一通長々と返事書いちゃうところとか。たとえ割に合わなくても自分がコストを払って大切な誰かが喜んでくれるならどんな在り方でもよくて(このあたり霧子と少し似ている。霧子は「傷つけたくない」から来るが咲耶は「好かれたい」「嫌われたくない」から来ている気がする)、辞めることで大切な誰かが助かるなら躊躇なく去ってしまう気がする(アンティーカの面々はそういう咲耶をちゃんと咎めるだろうが)。
彼女は「外側からこうしてくれ、と言われて本当にその要求に全て答えてしまう」人と思う。Pにスカウトされた時も気持ち悪いほど二つ返事だったし。モデルの仕事も友達とかに「咲耶って絶対モデル向いてるよ~やって~」と言われて始めたんじゃなかろうか。
765の真なんかは「本当はかわいいのもスキなのに~」とはっきり意思表示するんだけれど、咲耶の場合徹頭徹尾王子様で怖い。うさぎを愛でる可愛い面もあるだろ!という反論もあるだろうけれど、あれはむしろ「他者のために尽くすことが私の満足感だ」というのをうさぎに仮託してPに語っている話であって、「かわいいものが好き」という意図の話ではない(いやそりゃウサギに対して肯定的な感情を持ってはいるけれど)。なぜ咲耶にとってPが『特別な人』なのかと言えば、それは彼女が生きるための物語を常に外側から与え続けてくれる存在だからなのではないか。モデルからあっさりアイドルに切り替えたのは、既に「モデルをやれ」と咲耶に言った相手が彼女に対する興味を失っていたからかもしれない。
黛冬優子とは違うベクトルで他者の要求を自覚しすぎる。
三峰や摩美々も「相手の求めること」がすぐに分かるタイプだけれど、咲耶ほど従属的にはやらない。三峰と摩美々は自分がどうしたいかまで勘定にいれて他者と繋がろうとする(三峰はわかった上で自分と他者にとって何が良いのか最良の選択肢を探す。摩美々はわかった上でズラしをやり、構ってもらおうとする)けど、咲耶は「好かれたい」「嫌われたくない」ということが基盤にあって、いつも「君が求めることが私の求めること」で繋がろうとする。そういう繋がり方しか知らないんじゃないのこの子。こわっ。

・田中摩美々は、アンティーカという場所が好きだからここにいるってだけで、何かがダメになったら「アンティーカとしては」すぐにいなくなってしまいそう。メンバーそれぞれとは末永く友達で居続けるけど、「アンティーカ」がダメになったら、つまんなくなったら、きっと真っ先にいなくなる。そんな気がする。恋鐘はたった一人のアンティーカでも続けていくけど、摩美々は絶対そんなことはしない。彼女は一人ぼっちのアンティーカには耐えられないんじゃないか。

・アンティーカにはそれぞれ「こうなったらやめちゃうだろうな」というのがなんとなく想像できる。でも月岡恋鐘だけはそういうイメージがまるで湧かない。なぜなら彼女は生まれた時からアイドル以外になれない人だから。

・もちろんそれは恋鐘以外のメンバーのアンティーカ愛が足りないとかそういう話ではなくて、恋鐘だけ在り方のベクトルが違うということ。「選ばれたわたし」を「選んだ」4人に対して、恋鐘だけは初めから「わたし自身に選ばれていた」。

・又吉直樹『火花』のなかで、本当の芸人は芸人やってようが八百屋してようが芸人、みたいなくだりがあるんだけれど、月岡恋鐘はそういう人だと思う。何回も言うけど世界が滅びてもアイドルしてる。

・ということをまだ初めて数日、碌にコミュも読めていないのにウンウンと考えていた。

・こうして見返してみると、月岡恋鐘に割いた字数と同じくらい白瀬咲耶に割いた字数が多くて驚く。メサコンっぽい危うさに惹かれているのかもしれない。行動原理を必ず他者ありきで見いだしてしまう離人的な感じが、どうにも気になる。自分で自分の生きる意味を上手く編めないから、他者にそれを与えて貰おうとしているような。「世界中の人を笑顔にしたい」という目標もどこかそういう風に見えてしまう。メサコン人間は冗談でなく本気で世界平和とか祈っているから。

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