シッソウカノジョ 第十八話
夜十一時を少し過ぎ、ベッドに滑り込むとフカフカの枕に顔をうずめた。取り替えたばかりのシーツと枕カバーは、ぱりっとしていい香りがする。そっと目を閉じ、暗闇のなかで、羊水に包まれる自分をイメージして、温もりに身をまかせる。いまだけは煩わしいことは考えず、とにかくこの温もりに身をまかせよう。頭を空っぽにして眠ろう。透子だって、今ごろはきっと寝ているはずだ。どこで寝ているんだろう。彼女の隣には、もうだれかいるんだろうか? まさかぼくの知ってる男なんじゃないだろうな。ぼくのなにが悪か