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【第13回】空き家の利活用~木造耐震化その3

こんにちは。紀北町地域おこし協力隊のガーシーこと東谷です。
⇒【第1回】の自己紹介記事はこちら
いやぁ~、梅雨明けてないのに暑すぎるでしょ!
関東のほうでは38度台とか。。。風邪引いて高熱でた!くらいの暑さですよね。大丈夫ですか、地球?

さて今回は、耐震診断の結果から耐震改修工事のポイントについてのお話しをしますね。何度も言いますが、在来軸組工法の木造住宅の耐震化についてですよぉ~。
(⇒前回その2【第12回】の記事)
(⇒前々回その3【第11回】の記事)

耐震診断の結果から評点を1.0に近づけるべく耐震改修設計と改修工事を行うのですが、そのポイントは・・・

・バランスよく耐力壁を配置
・耐力壁の種類とその施工方法
・予算と優先順位

ちなみに耐力壁とは、地震などの揺れに対して倒壊しないように耐える壁のことです。

バランスよく耐力壁を配置」は設計者が計画します。
耐震診断時に既存の耐力壁については、使えるものは使います。間取りも変わる場合は、既存の耐力壁を撤去する必要がある場合もありますが、基本的には既存の耐力壁は使う場合が多いです。そして、より地震に対して強くするために新しく間取りに合わせて耐力壁を配置していきます。
よっぽどのことがない限りは、設計者が計画、設計したその耐力壁のレイアウト変更はしないように心掛けましょう。使い勝手など間取りに影響を与えそうと思われる場合は、耐震設計に入る前に設計者にその内容を伝えておきましょう。その要望が叶う場合と耐震設計上叶わない場合があることも知っておきましょう。

耐力壁の種類とその施工方法」についても設計者が計画します。
筋かいを入れるのか、構造用合板など耐力壁としての板を入れるのかなどです。耐力壁として施工するには施工基準があり、その通りに施工しないと耐力壁として機能しないので、設計だけでなく施工までしっかりと品質管理することが大切になります。まぁ、当たり前のことですけど。
今は建築の技術も進化しています。なので、予算を抑えた耐震設計もできます。例えば、外壁を壊すことなく、しかも内装の床や天井を壊さなくても耐力壁にできる工法(商品⇒【参考】ダイケン「かべ大将」)もあります。耐震改修工事だけ、または耐震工事+αの工事をする場合には有効です。

最後に「予算と優先順位」ですが、ここは設計者と施主とが打合せをして決めて行きます。予算はとても大切です。お金のことなので当然、改修工事のことだけ考えていてはダメで、生活設計の中での改修工事ということを大前提として改修工事にかけられる予算を決めてください。
優先順位についてですが改修工事の設計をするにあたり、予算とのバランスをとりながら何を優先にするかです。例をあげると、
①水廻りの住宅設備機器(キッチン、浴室、トイレ、洗面など)
②仕上げ(床、壁、天井の素材など)
③間取り(使い勝手)
④住宅性能(耐震や断熱)
がその順位を決める選択肢になると思います。これは耐震改修工事だけでなく、リノベーションや新築の場合でも同じことが言えます。

最後に補足として・・・
この順番、一般的に施主(発注側)が考える順番かなぁと思います。毎日の生活により密接に関係しているので気持ちはよくわかります。ただし、設計の立場から考えると(あえて順位をつけるとすれば)、その順番は全く逆になります。ここではあまり深堀りしません。機会があれば、またお話ししますね。

耐震改修工事に限って言えば、せっかく耐震改修工事するなら予算内でほかもリフォームしたい!と考え出すと、どうしても上記のような順番になって、本来の目的を見失ってしまいますのでご注意ください。

いずれにしても耐震改修工事をする場合は、設計者(施工会社)とよく打合せをして納得したうえで、満足いく耐震改修を実現していただきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、耐震に続いて馴染みのない断熱についての話をしたいと思います。
引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。


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