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だーれだ 2023.06.03

映画『怪物』観ました。

感想や前情報を見ないでおきたい人はブラウザバックしてね。



▼感想(ネタバレなし)

というわけで見終わった直後の感想ですが、いやぁーーー……面白かったぁ…………。
でもどうやって感想言ったらいいか分からない。語彙力欲しい〜!
ただ、この映画は間違いなく好きな映画でした。また観たいくらい。

なんだろうな、映画の伝えたいことが自分の考えてることや経験とかとやけにマッチしていて……いや、とにかく、よかった(語彙力)

是枝監督の作品は『誰も知らない』と『万引き家族』しか観たことないニワカなんだけど、坂元さんの脚本でさらに良くなったというか、理解しやすくなった気がする。
坂元さんはテレビドラマの『anone』とか、最近の映画だと『花束みたいな恋をした』の人です。どっちも人の心理描写の描き方が好き。

ちなみに予告がホラーっぽくて正直ドキドキしながら観てたんだけど、ホラー要素は全然なくてサスペンス調で進んでいくのでホラー苦手な人は安心して観にいってください。

今年一オススメしたい映画です。


あと、映画を見て気に入った人はぜひパンフレットも買ってほしい。監督や脚本はもちろん、各主要人物のインタビューがあり、作品の深いところまで知れてより作品の輪郭がはっきり捉えられるんじゃないかなと思う。


▼ネタバレ有り

内容の核心にも触れるし、観た人しか分からない言い回しもするので、それでもいいよという人だけどうぞ。
個人的にはこの映画はぜひ観てほしいので、まだ観てない人はこれ以降読まない方がいいです。知らないで観た方が絶対にいいので。



いやもう見事に作り手の掌の上で転がされたわ。ゴロゴロだった。
第1章では湊がイジメに遭ってると思わせられるし(みんなそうだと思うけど)、第2章であれ??もしかして実は湊がイジメてる……?いや、逆に依里がイジメる側なのか?と自分の勝手な想像で疑ったりしていたけど、第3章ではまさかすぎる展開で度肝を抜かれてしまった。そっち方面の話になるとは予想つかなかったー。

各章で固定された視点によってまんまと自分も怪物探しをする怪物になってしまっていたというわけですね。やられたな。

というか例の長い沈黙シーン(MajiでKする5秒前)で「え、是枝監督???」と思いながら、こういう時周りの人たちがどう思ってるのか気になってしまう性分なので気が気でなかった。
もちろん伝えたいことはそれだけじゃないんだろうけど、時代に即しすぎてて違和感感じてしまったのも事実。いや全体としてはめっちゃ好きなんだけどもね。


自分の好きな作品に「ひぐらしのなく頃に」というアニメがあるんだけど、少し構造が似ているというか、「多面的に物事を見ると真実が見えてくる」というところにいたっては近しいところがあるんじゃなかろうか。
一方から見たら悪者でも別の視点からでは逆転している、というのはこの映画の好きポイントでもあるので、自分の中では共通項として挙げられるかなと思うところ。

そう考えると『桐島、部活やめるってよ』もそういう感じかな……?そもそも群像劇が好きなので、いろんなところでいろんな人の視点で描かれた物事のピースが合わさってひとつの盤面にハマっていく様子が合っていたのかもしれない。


車から飛び出した湊の気持ち、痛いほど分かるんだよね。よくよく考えたらあそこでこの映画の本筋に気付いてもおかしくなかったな。
依里の父親の病気発言も、まあそうだよなってなってしまった。

保利先生はまあ……気持ちは分からんでもないけど、いくら彼女のアドバイスでもあそこで飴はまずいだろう。流石にアホだなとは思った。
もうちょい学校側の対応はやりようあったと思うし、あれがそんなに正解ではなかった気はする……。うーん。


あとはそうだな、、、最後のシーンの解釈はいつものように解説サイトを読んで気付かされた。全然ハッピーエンドじゃん良かったーって思ってたけど、確かに夜に捜索していたのに朝になるまで発見されないのもおかしな話だし、助けた描写を入れない理由が他にないよな……。
だとするとマジかぁ……。ふたりには救いが欲しかったな……。


ごちゃごちゃまとまらない感想言ったけど、多分映画を観て各々感じることがあると思うので、それでいいんじゃないかなって感じです。
物事にはいろんな視点があるよねとか、ふとした言葉で誰かを傷つけているかもしれないとか、そんなことを多くの人が考えてくれるきっかけになる映画になったらいいな。

まあそればかり気にしてたら生きにくいから、たとえ間違えてしまってもそれをお互いに許し合えたらいいよね。

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