上野天神祭特集②
前回に引き続いて本祭りの供奉行列の様子、楼車(だんじり)の紹介です。どうしても写真の枠の関係でだんじりの全体が納まらないのが残念なのですが、ちなみに後方に写るだんじりが前回ご紹介した上野中町の其神山・葵鉾です。
さて、今回ご紹介するのは上野小玉町(小蓑山:こみのやま)です。名の由来は、俳聖松尾芭蕉翁の俳句「初しぐれ 猿も小蓑を ほしげ也」。製造年代はよくわからないのですが、上野小玉町には「しるし」(だんじりの露払いですね)の他、七福神の練物(ねりもの)があり、寛延4年(1751年)に作られているので、その頃か、それ以前でしょうか。そして、見所は写真には写っていないのですが、だんじり後方に「見送幕」(みおくりまく)というものがありまして、清道図(朝鮮通信使:室町時代から江戸時代にかけて李氏朝鮮から派遣された外交使節団)の刺繍が鮮やかに施されています。お越しの際には、ぜひ見ていただきたいと思います。
これは私の印象なのですが・・・上野小玉町のだんじり=勇壮なだんじりそんな風に感じでまして、いわゆる「やり回し」(勢いよく直角に曲がる)を「てこ」と「曳き手」の力で見事に演出します。作法は各町さまざまで、方向万力と呼ばれる車輪のようなものでだんじりの向きを変えるのも、また優雅で良いものです。祇園囃子を摘みに、伝統の技を眺め見るのも祭りの醍醐味の一つですね。
次回は、先に書きました「しるし」をご紹介します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?