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創業計画書が必要な人、そうではないかもしれない人

A:「こんなお仕事で独立したいと考えています」
B:「なるほど、では、事業計画書を作りましょう」
A:「…」

このやりとりは、「起業あるある」だ。

オレ自身、起業にあたって計画書をつくることを半分当たり前と思い込んでいた。だが、つい先日、ライターとして副業からの起業を考えている方から、直球のご質問をいただいた。

『ライターとしての起業に、こまかい計画書って本当に必要なんでしょうか?』

近年では、起業のあり方が多様化している。
本職をもって働きながら、副業を始める方も増えている。

それならば事業計画書のあり方だって、多様化して当然だ。

今回は「創業計画書の必要性」について考えてみたいと思う。

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■創業計画書の「なぜ」


「創業計画書」について検索をかけてみると、膨大な量の情報がヒットする。

「計画書とはなにか」「どのように計画書を書いたらよいのか」という”What”と”How”の部分についてはとても詳しい。


だが、「なぜ」必要なのかという”Why”の部分は、あまり記載がない。

オレが見つけた「なぜ」は、だいたい以下だった。


◆考えを整理するため

◆お金を借りるため

◆人を採用するため


・・・考えを整理することは大事だと思う。

頭で考えていたことを書き出してみると、あいまいな点が見つかるからだ。

だが、そのためにライターとしての「計画書」をつくり、収支計画や資金繰り計画まで考えた方がよいと言われると、(それが大事だと頭でわかっていても)「そこまで必要なの?」と思ってしまうかもしれない。


お金を借りたり、人を採用したりするために計画書が必要、というのも頭ではよく分かる。

いずれも「相手」があるからだ。

お金を貸してくれる銀行を説得したり、

一緒に働いてくれる人の理解と協力を獲得したりするには

たとえ面倒でも、収益や費用の見通しを含む詳細で具体的な計画が必要だろう。


だが、お金を借りる予定も人を採用する予定もない、という方にとってはどうだろうか。

たとえば個人でライターやYouTuberとして
まずは“ちいさくビジネスを始める”という方にとって、
詳細な計画書は本当に必要なのだろうか。


公的な創業支援の専門家であるオレがこんなことを言うのは勇気がいるが、詳細な計画は「不要」かも知れない。

言い方をかえれば、「創業計画書の必要性には個人差がある」と思うのだ。


■創業計画書が必要な人、そうでないかもしれない人


極端な話、ライターやYouTuber、デザイナーやコンサルタントとしてビジネスを始める場合、最初から固定費(家賃など、売上にかかわらず固定的に掛かる費用)がかかるわけではない。だから、すぐに売上が上がらなくても、いきなり資金難に陥ったりするようなケースは多くはない。


そうなると、事業計画書の作成に時間を掛けるよりも、できるだけ早い段階から行動を起こし、小さなトライ&エラーを繰り返しながら、実地で学んでいく方が効果的かもしれない。


たとえば、自身の資格と経験を活かし、ファイナンシャル・プランナーとして自宅で開業するような場合、綿密な事業計画書の作成に数ヶ月をかけるよりも、コアとなる自身の売り(強み)と対象顧客のニーズを見定めて、できるだけ早く営業活動を始める方が、市場を適切に理解し、事業を軌道に乗せることができる可能性がある。


一方で、たとえば製造業や飲食業の開業などは、ビジネスを始めるにあたっての初期投資額がケタ違いだ。500万円以上、場合によっては1,000万円以上の創業資金を必要とするため、(先のサービス業と比較した場合)背負っているリスクの量が違う。銀行からお金を借りたり、人を採用したりする機会も増えるだろう。だから、不用意に始めて「お金を失う」ことの無いように、時間を掛けて綿密に事業計画書を作成することに対する“相対的”な重要性も増すだろう。


つまり、創業計画書は横並び一線で必要、という訳ではなく、起業したい業種に応じて、どこまで細かく詰めるかの必要性を客観的に判断する必要があるのだ。

それが、「創業計画書の必要性には個人差がある」というオレの意図だ。



■「考えを整理するため」のマイノート


「詳細な計画書の作成は不要」というのは、決して「その分楽ちん」ということではない。


ライターやYouTuberとして個人で独立開業をするにも、対象となるお客さんは誰か、お客さんのニーズはどのようなものか、同業者の特徴はどのようなものか、自身はどのような持ち味を発揮し、強みや独自性を生かしたサービスを提供できるのか等について、事前にしっかりと検討することが大切だ。

この「なぜ」に迷う人はいないだろう。お客さんに自身のサービスを選んでいただき、身銭を切ってお金を支払っていただき、事業者としてきびしい競争に生き残り、事業を継続していくためだからだ。つまり、詳細な資金繰り計画などは不要でも、以下のような切り口から自身の考えをしっかりと整理しまとめてみることは必要不可欠であり、大変有効なのだ。

◇起業の動機

◇起業に活かせる強み(経験やスキルや技術など)

◇ビジネスの内容(誰に、何を、どのように)

◇競合

◇お客さんが競合ではなく自身のサービスを選んでくれる理由 等


「これもちょっと大変そうだな・・」と思う方もいるかも知れない。

だが、これからキミたちがやろうとしている「起業(独立開業)」は、もっと大変だ。

頭だけで考えていることをしっかりと書き出して整理すると、意外とあいまいな点や矛盾している部分などに気がつける。A4の紙1枚でいい。箇条書きでいい。きれいに纏める必要なんてない。是非チャレンジしてみてほしい。そして、そのために必要なフォーマットはすでにみんなの手元にある。それが、起業ライダーマモルのマイノートだ。


※マイノートのイメージ図※

最後にちょっとだけお知らせがある。

起業ライダーマモルでは、現在『マイノート夏の添削キャンペーン』を開催中だ。


※添削キャンペーンHPリンク※


上記の項目について、ご自身の事業の特性に合わせて、取り組んでみてほしい。起業の専門家から率直なフィードバックが得られるチャンスだ。キミの起業の第一歩、マイノートから一緒に始めてみよう。



終わり