見出し画像

老人ホームへのお誘い。

えっ? 今、なんて言った?

「もし、お母さんがひとりになったらね、
老人ホームに入ってね、
すごくいいところ、見つけたから」と、
娘に明るく言われた。

それは、まるで
FLYING HONUで行くハワイツアーとか、
冬の北欧オーロラ鑑賞ツアーを
私のために計画したかのようなワクワク感を
込めた言い方だった。

でも、私は一度だって考えたこともなく、
私回りの親族も老人ホームとは無縁であった。

だから、いきなり、
娘の口から発せられた「老人ホーム」という
ワードに返す言葉を探したが
瞬時に見つけることも出来なくて
黙ってしまった。


前に交通事故に遭って入院をしたことがあった。

その時、
「今から、採血しますね」と
若い男性看護師が、直径5㎝はあるかと思われる
デカい注射器を片手に現れた。

はい、お願いします、、、と腕を出すと、

「あっ、いや、今日は足の付け根から
採血しますね」

待って! 待って! 足? 付け根って? 

「ちょっと痛いですけど我慢してくださいね」

痛ぁーーーーーーーいーーっ。

ちょっとどころか、
ドラゴンボールの悟空が発する、かめかめ波の
直撃を受けたくらいの恐ろしい痛さであった。

この場合ですね、病院側にモノ申したい。
イケメン若い男性看護師さんより、
ベテラン女性看護師さんの方が、
適任ではないだろうか?

痛さと恥ずかしさで、
頭の中が混乱してしまうでないか。

話は回りくどいが
「老人ホーム」という言葉は私にとって、
「足の付け根からの採血」と
同じくらいの衝撃的なことであった。


その後、我が家では、
娘の「老人ホーム」発言が大炎上している。

夫に言うと、
「俺は、絶対に行かない」と、
いつになく激しい口調で全否定。

我が家のトレンドランキングは
「老人ホーム」が堂々の第一位である。
二位は「絶対行かない」

あは、は、は、、、、。

歳を取るとは悲しいことだ。

今まで懸命に働き、やっと重い荷物を下ろし
好きに生きていける、、と思えたが、
現実は、不安や淋しさや後悔や虚無感。

世間からは 「ばあちゃん」呼ばわりだ。
私だって若くて可愛い時があったのよ。

ふん。

押し寄せるそんな気持ちを払拭しようと
明るい日常、楽しい生活を心がけてるが、

高齢者とは、
ちょっとした動作で痛みが長く続いたり、
些細な言葉で気落ちしたりする。

大変、センシティブな生体である。

「取扱注意」「FRAGILE 」「水(尿)漏れ注意」
などのラベルを玄関に貼ろうかと
本気で考えているくらいだ(笑)

そんな気持ちは、しばし横に置いて
次に進もう、、、、と、、


進んだ先は 「老人ホーム」検索である。

なにしろ、私にとって未知の分野だ。
入居するのがイヤだからと言っても
避けて通れないかも知れない。

おしゃれで甘美な場所ではないような
いやーな予感がするので
詳しく、その実態を把握しておくべきだろう。

いざという時、知識があれば、

ココハ イヤヤー
モット タカイ トコロニ カエテーェーー
アト サンマンエン ダセルヨネー 

日本全国の老人ホームについて詳しく調べた
結果の叫びである。

でも、訴えは却下されるに決まっている。

今、すでに、アバターの私が
老人ホームのエントランスや多目的ホールで、
I don’t like this place.     I hate you.
と、大声で叫んで騒いでいる。

あれ、
こんなゲーム、あってもいいじゃない?

まだ、私にとって
「老人ホーム」は、バーチャルな空間だ。
できるなら、リアル空間に繋げたくない。

本音だ。

Help me ,please ...................(笑)

今日は梅仕事をしました。わ〜い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?