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ワクチンについて自分なりに学んでみた

・ワクチンの概念はいつ生まれたか

1796年エドワード・ジェンナー(1749−1823)という医学者が天然痘という病気を予防する方法を発明したのがワクチンの始まりだという。
ワクチンは約200年前に考案された仕組みということになる。
エドワード・ジェンナーは牛痘という牛版の天然痘を人間に注射した。
牛痘と天然痘は似ているが牛痘は人間では発病しないとのこと。
牛痘を注射された人間は人間版の天然痘にかからなくなったそうです。
天然痘の免疫ができたからですね。

・免疫

生き物というのは自分以外の有害なものと戦うためのシステムの免疫がある。有害なものと戦ってくれる免疫細胞があり、免疫細胞には色々な種類がある。
マクロファージ=アメーバ的な細胞で、病原体が体内に侵入すると病原体ごと取り込んで消化をすることで病原体を破壊する。
キラーT細胞=異物を見つけたらそれに取り付いて破壊するような行動をとる。
各細胞は色々な方法で病原体を破壊することで体を保護している。
B細胞=免疫グロブリン(抗体)を生み出し病原体を無力化する。

・抗体

抗体は病原体にぴったりハマるような形をしており抗体が取り付いた病原体は身動きが取れなくなる。
抗体というのは特異性があり病原体ごとに形が異なるため、どんな病原体にも使えるオールマイティーな抗体は存在しない。
病原体に応じてそれに対応した形の抗体を作っていく必要がある。
一回作られた抗体の情報はメモリーB細胞という細胞が数十年に渡って保持し続け、次に同じ病原体が来た時にはすぐに抗体を作り出せるようになり、これを獲得免疫という。この獲得免疫の仕組みを応用しているのがワクチンだという。
人では発病しないが天然痘に似ている牛痘を体に打ち込むことによって、体はそれを排除しようとし活動する。
人間には感染しない牛痘ではあるが体内からすれば異物であることに変わりない為、免疫細胞はそれを破壊しようとする。
牛痘用の抗体が作り出され、メモリーB細胞に保存される。
この状態で本物の天然痘がやってくると牛痘用の抗体をすぐに大量生産し、天然痘に取り付かせる。天然痘は短時間で排除され、発病しなくなる。
牛痘ウィルスと天然痘ウィルスの形がよく似ているからできることである。
天然痘に感染する前に牛痘を感染させることで、体の免疫細胞に戦闘訓練をさせていたのです。

・ワクチン

現在ではいろいろな病気に対してワクチンが開発されている。
生ワクチン=別名弱毒化ワクチンとも呼ばれたりしており、病原体そのものを体内に注射。病原体は弱らせており、免疫が圧勝するようになっている。
不活化ワクチン=不活化した(死んだかバラバラになった)病原体を注射。リスクは低いが、獲得免疫の持続も短い。
インフルエンザワクチンに関わらず、なぜワクチンを何度も打たなければならないのか。それは病原体(特にRNAウイルス)に関しては遺伝子が突然変異する確率が非常に高いから。
インフルエンザウイルスの遺伝子がコロコロ変わっており、毎年新型ウイルスが生まれている。遺伝子が違えば形も違う為、従来の抗体が効かない。
毎回抗体を作り直さないといけないワケなのでワクチンの製造側は毎年、流行りそうなタイプに応じたワクチンを作っている。

・新型コロナウイルス

正式名称:SARS−CoV−2。SARS−CoV−2による感染症をCOVID−19と呼ぶ。
コロナワクチンにはコロナウイルスが入っておらず、新型コロナウイルスの一部をコードするmRNAが入っている。
DNA(デオキシリボ核酸)は4種類の塩基の組み合わせで構成されている。
A=adenineアデニン
T=thymineチミン
G=guanineグアニン
C=cytosineシトシン
ATGCの塩基を大量に繋げていくとATGCの組み合わせだけでできた情報が出来上がり、これを遺伝子と呼んでいる。
一つ一つでは意味を持たない為、生物の世界の文字のようなものと言える。アルファベット(a、b、c...)かな(あ、い、う...)。
A、T、G、Cを繋ぎ合わせることによって文章を作るようなもの。
アミノ酸の繋げ方は決められており、コドンと呼ばれている。
アミノ酸をたくさん繋げたものをタンパク質と言う。
DNAの塩基情報からタンパク質を組み立てている。DNAからタンパク質を組み立てる際に作られるのがRNA(リボ核酸)で基本的にはDNAと同じだが不安定で分解しやすい。設計図のコピーみたいなものがRNA。RNAは設計が完了した後に不要になる為、分解しやすい性質になっている。
体内のタンパク質製造班(リボソーム)もDNAからコピーを取ったRNAをもとに作業する。こういった目的で使われるRNAをmRNA(日本語では伝令RNAと呼ばれたりする)。他の目的を持ったRNAもある。

・ウイルス

ウイルスと細菌は病原性の場合は体に入れば体調を崩すので似ているが特徴が違う。
細菌=細胞でできた生命体。細胞膜に包まれている。DNAが入っていてDNAを複製することで二つに分かれる、細胞分裂。
ウイルス=タンパク質の殻に包まれたRNAもしくはDNAだけの存在で細胞という単位ではない。設計図だけの存在で生命体の定義に満たず生き物とも言えない。化学物質?細菌の100倍くらい小さい。
ウイルスの増殖方法はヒトの細胞に取り付いて寄生で数を増やしている。
殻に包まれたウイルスは口から入ってきた場合、喉にくっつき殻の中のRNAを喉の細胞の中に注入してる。注入されたウイルスのRNAはヒト細胞のRNAと区別がつかなくなる為、ヒト細胞のタンパク質製造班はウイルスのRNAをもとにタンパク質を作り始める。ヒト細胞が自分でウイルスを作り出してしまう。ウイルスが大量に製造される。風邪の主な原因はウイルスによるもの。
新型コロナウイルスの一部をコードするmRNAはコロナウイルスのその一部のスパイクタンパクという部分のみのRNA。コドン最適化という調整も加えられてるので完全に同一ではない。スパイクタンパクはウイルスの手のような部分。

なぜmRNAワクチンなのか→早く大量に作れるから。

遺伝子の情報は必ずDNAからRNAに流れるセントラルドグマという原則がある。セントラルドグマ逆行もあるが逆転写酵素が必要。

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