新卒

就活では行きたかった企業には行けなかった。
落ちることはグループディスカッションを行なっている時から気づいていた。あまりにもその業界への知識が不足し周りの人たちの会話に参加できなかった。
そして大手の下請け企業に入社した。
当時は数年ここで働いて、大手に転職しようと考えていた。しかし、コロナ禍の影響もあり、自宅待機になる日々が続いた。
酷い時には月一回の出勤。その時は出勤したら新卒が集められ、希望退職の募集の説明を3時間弱聞いて帰宅した。でもやりたかった業界だし「続ける」という答えはすぐに出た。
2020年の年末になるにつれて仕事は増えてきた。新鮮ですごく楽しかった。
しかし2021年4月から出向に行くよう命じられた。自分はその仕事が好きだったから、すごい悔しかったし、悲しかった。
その時からこの会社に対する敬意というものは無くなっていたと思う。
出向先は簡単に言うと同じ大手企業の下請けの中でも下の方だった。
拘束時間も長いし、休憩時間も法律ぎりぎりの時間しかなかった。でも人はすごく良かった。本当に優しかった。 
本来は3ヶ月で元の会社に戻れる予定だったが、大した説明もなく期間は延長された。
この頃には元の会社への信頼はゼロに等しかった。それは自分だけでなく、出向してる全員が思っていたと思う。 
そして転職を考えるようになった。
同じ業界はなかなか募集していなかったが、のちに勤める会社の募集を見つけた。大手だったし確実にステップアップできると思いすぐに応募した。エントリーシートは兄弟にも手伝ってもらい、9月に内定をもらうことができた。
そして10月から新しい会社に勤めることになる。

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