見出し画像

必要なイニシエーション

私はモラハラ夫と離婚した。離婚後10年は憎んでいたけれど、今は会うこともないし、養育費もくれないので、相手が生きていても死んでいてもどうでもいい。

憎しみの感情が私から湧き上がる瞬間、普段忘れているモラハラ夫の顔がぼやっとだが私に思い出させた。

娘と過ごす時間がいちばん大切なので、私は1日24時間、1分たりとも無駄に消耗したくないと考えると、憎しみの感情が私から消え去り、無関心になれた。

今もモラハラ夫の暴言や嫌がらせ、人前でわざと恥をかかせられたり、DV夫に殴られながらも婚姻関係を継続している人も多いと思う。

私の知り合いにもDVを受け、顔や体に青あざが浮いているのに、どこにも相談せず、逃げることもしない、離婚もしない女性がいる。

子どもがいると離婚も簡単ではないし、帰れる実家がない人もいる。

受け入れるどころか、お金のない両親は顔を見ればお金の無心をする場合だってある。

その知り合いは、死ねばいいのにと言っているくせに、夫が帰宅する家に悲劇の妻を演じるために向かう。

その後ろ姿を見送る度に、言葉では言い表せない、何とも言えない苦々しい気持ちになる。

「逃げるなら手伝うよ」それしか言えない。

彼女は、「夫が先に死んだら、マイホームは私のものになるから」とか、「子どもがパパを好きだから」とか、同じフレーズをエンドレスに繰り返す。その言葉には思いも意味もない。

多分それは私に言っているようにみせかけて、自分を奮い立たせるエールのようなものかもしれない。

絶望を感じている人がいたなら、私は話を聞きたい。そして、自分ならどうするか、どう考えるかということを伝えたい。

私が妊娠中に離婚したいと考えていた時、誰にも相談できなかった。

もし誰かに話を聞いてもらえたら、アドバイスを求めた時、何か言ってもらえたら、あんなに孤独を感じなかったかもしれない。

産休に入って誰とも話さない日が続き、家事をしながら、aikoの飛行機♪をよく聴いていた。

自由になれない私と、そんな私の中で育まれる生命との狭間でどうすればいいのか分からず、洗濯物を畳みながらよく泣いてた。

飛行機を聴くと、あの頃を思い出してしまいそうだから、今も聴けない。


間違っている方向に進んでいく人を、どうしても止めたい。

なんでこんなに言ってるのに分からないのだろうと腹が立つこともある。

それでも他人は変えられない。

相手は自分の人生で必要なイニシエーションを経験している過程なのかもしれない。

これは誰にも止められない。私だってモラハラ夫と結婚する前、いずれ離婚すると分かっていた。将来離婚になる人だけど、私大丈夫?と婚姻届けを鞄に入れたまま、提出する日を理由をつけては引き延ばししていた。

私はこの世に生まれて、1人だけでいいから子どもを産み育てたいと思っていて、私に子どもを授けてくれるのは、これまで出会った誰でもない、モラハラ夫だけだと直感で知っていた。

どれだけまわり道したら母親になれるんだよーと自分の運命を呪ったこともあるけど、失敗しても時間がかかっても、私にとって必要なイニシエーションだったのだから、受け入れるしかない。

あの時、元彼と結婚していたら、子どもを授かり、幸せな結婚生活を送れていたかもしれない。それはタラレバだけど、やっていないことは分からない。

でも、今が幸せ♪

現在、必要なイニシエーションを全力で生き抜いている人には、通過後のご褒美があるかもしれません。

但し人生の時間は有限。

難儀なことなら、できるだけ手短にした方がいいです。

皆が幸せになれますように♡





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?