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【グレショー】質問箱への回答_0513

現在放送中のグレショー『大暴力』の作・演出を務めております。
『THE GREATEST SHOW-NEN』第3回は、こちらで見逃し配信を見ることができます。5月15日(日)1:00 までです。

質問箱はこちら。

ありがたいことにバコスカいただいているので、回答していきます。

ちなみに前回「ながっ。こわっ」と書きましたけど、ごめんなさい、僕なりのリップサービスというか、冗談以外の何物でもなく、恐怖なんて全く感じてないし、「長文うぜー」とかも思ってないですからね?
そんなもん、感謝してるに決まっているので、そこは言わなくても伝わるだろうと慢心させていただいているというか…。
まあでも伝わらないですよね。はじめましてですもんね。
ごめんなさいね。長くないし、怖くないですからね。

今回初めて僕のことを知ってくださったばかりだと思いますが、お手数ですけどもその辺の「福谷リテラシー」を持って読んでいただきたいというか、「(福谷の言ってること、書いてることは基本的に口から出まかせで、信用するに値しないし、まともに受け取ってはいけない。ペラペラ喋る詐欺師みたいなやつ)」と思って読んでいただけますと幸いです。
この注釈でさえ、「(なんか四の五のほざいてんな。読み飛ばすか)」というテンションでいてくださったほうがありがたいです。

こっちはもう、ずっとそんな感じで生きてるんで。
生まれてから今まで、喉から偶然出てる鳴き声が、奇跡的に言語の並びになっていて、単なるミラクルで日本語として成立してるだけなんで。

引き続きよろしくお願いいたします。

***

配役については、特に相談せず、一人で決めました。
「役に合う・合わない」だけでなく、前後作品の段取りの都合や、稽古に参加できる日数など、すべて鑑みて決めたものです。

ので実は、『この愛は警察に届けます』のリチャードさんの役も、当初はたしか正門さんだったような気がします。あ、でも、稽古の最初期段階の話なので、むちゃくちゃ記憶が怪しいです。正門さんじゃなかったかも…。
ま、いずれにせよ、「佐野さんと正門さんの組み合わせだと、一緒に稽古できる日が少なくなるな…」というようなことも考えたわけです。

というか、ぶっちゃけそっちのほうが比重は大きいですね。
何事もそうだと思いますが、やりたいことを何もかもやれるわけではなく、さまざまな条件や制約をクリアしてモノづくりするのがプロですわな。

ドライブ動画に見る不仲ですが、じゃあ例えば…。
7分13秒あたりで、小島さんが佐野さんに「なにわ男子」の『初心LOVE』をリクエストするシーンがありますよね。
ここ、細かいですが、リクエスト⇒佐野さんの歌唱、の間にカットが入っています。こういうところに僕は「(佐野さんが少しだけ、歌唱をしぶった可能性もあるよな)」ということを想像します。

また、7分50秒あたりで、ひと休みしている佐野さんに小島さんがカメラを向けます。
もちろん収録中だし、カメラを向けるのは当然で、佐野さんもそれを誘導するように寝たふりをしていると思います。
僕だって普通に見てたらこんなもんジャレているようにしか感じないわけですが、ここで「腐った視点のうがちeye`s」を起動させると、「小島さんを少し厄介だと感じている佐野さん」を空想することができますね。

そういうことです。
まっとうに不仲だと感じているわけではないということですね。
あえて、そういう空想を広げてみる、という感じです。

ボルトが埋まっているとあぐらかけないんですかね…?
ごめんなさい、その辺のリアリティ、気にしてなかったです…。
ので、作画ミスみたいなものだと思ってください。

と、それぞれの登場人物の名前を冠したカット部分についての質問かと思いますが、「公野景のシーンも公野景が”演じている”」のか、あるいは「公野景そのもの」なのか、ここには答えを用意していません。
あえていえば、「そのどちらでもある」という作りにしています。

ちょっとズルいですが、こういう作り方をしていることによって、上記のような「作画ミス」にも検証の余地が生まれるというか、舞台上で起こるあらゆる出来事に疑いを持つことができて、それこそが面白いのだと僕は思ってます。

僕は、三城平はフラれた男であり、かつて付き合っていた元カノの幻想を、今カノである安堂にかぶせようとしていると考えていました。

でも、死別というのも確かに考えられますね。
むしろ三城平の狂気に満ちた目は、そのくらいの背景がないとおかしいかも。

裏設定というのは特にありませんが、あえていうなら「チョコレートの形をしたトイカメラ」と「神戸のハーブ園」は実在しています。
このリアリティの解像度がお気に入りで、「チョコレートの形をしたトイカメラを持って、神戸のハーブ園でデートしたヤツ、この世に絶対おるやろ」と根拠のない確信を持ててしまえるのが、とても好みです。

ちなみに「前の彼女がつけてた香水」ですが、ここに特に指定がありません。その理由は、この導入を固有名詞にしてしまうと入り口が狭くなるという作劇的な下心なわけです。

「漠然とした香水⇒形状の指定があるグッズ⇒特定の場所⇒特定の出来事」というふうに「ふるい」を狭めていくことで、より恐怖を演出しています。
こういうのがプロなんですよ。
フラッシュフィクション、一見誰でも作れそうに感じるでしょ?
ちゃうんすよ。
こういうプロの技、ちゃんと入ってんすよ。

お初にお目にかかります。ありがとうございます。
漫画は好きでよく読みますが、小説は大学を卒業してからすっかり読まなくなりまして。22歳までに読んだ財産だけでずっと生きてる感じです。

星新一と筒井康隆が好きで、影響を受けていると思います。
漫画でいうと、阿部共実の『空が灰色だから』と『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』は、演劇でフラッシュフィクションを作ったきっかけになっていますね。
好きな人はめちゃくちゃピンとくると思います。
「あ~、好きそ~!」って声に出ると思います。
面白いですよ。

ながっ。こわっ。(※鳴き声)
いやあ、ありがとうございます。
公野の内面かぁ。榊とはどんな関係なんでしょうねぇ…。
あんまりこう、仕事以外での接点はなさそうですよね。
この組み合わせの小作品が、たぶん来週放送されますよ。

そうなんですか…?
喧嘩はあれですよね。よくないですよね。
二人がもし僕の目の前で喧嘩してたらどうするかなぁ…。
こう…iphoneで撮影して、二人の怒りをこっちに向けるっていう、最低の対処法でその場をしのごうかなぁ…。
仲良くして欲しいしなぁ…。

イヤミスって言葉、そういえば聞いたことありますね。
末澤さん、声の負担を最小限に抑えようとしていたんですかね。
そういわれると、確かにそんなふうに見えた場面があった気がします。

というか、この「ははーん。ブチギレてんのかな?」という記述も、エゴサーチすると結構笑ってくださってる方も見つけましたが、もちろんめちゃくちゃリップサービスというか、そんなもん本気でキレてるとは思ってないですからね…?
そこは、ね?末澤さんも大人なんで。キレるわけないんで。僕も大人なんで。わかってますから。大丈夫です。全然怖がってもないです。
ほんまにキレてると感じてたら、絶対書かないんで。

いやあ、ありがとうございます。
配役については、最初の質問で結構ちゃんと答えちゃいましたね。
あえて補足するなら、「正門さんが一番、こんなふうに思いつめた告白しそうかな」とは思いました。
末澤さんの演じた役どころですが、ここは小島さんもアリだったなと思っています。小島さんの無邪気さが、豊かに作用しそうだし。
それも見てみたいですねー。



なんで炎上をさておきぶっちゃけなあかんねん(笑)
舐めんなよ(笑)

単純に「上演作品のデキはどうだったんだよ?」ってことだと思うんですけど、そこはまあお客様・視聴者が判断してくださいな、って感じです。
もちろん嘘はつかないですけど、仮に不出来だったとして、「うーん、30点!」とか書くわけないですよね。アホやないんですから。
なにがどうであれ、「最高だった」と言うに決まってまんがな。
ほんで事実、最高やったし。本音ですよ、本当に。

…「ジャニーズの枠にはまったままかどうか」なんて、どういう書き方してもアウトやわ(笑)。なんちゅう質問しとんねんホンマ…。
「いやー、ジャニーズの枠を飛び越えた演技力でしたね!」とか、アイドルを舐め腐った発言でしかないでしょ。あるいは「しょせんジャニーズ」なんて書いてもうたら、なんや、どうなってまうんや、インターホン鳴るんちゃうか。

でも、まじめに真摯に答えるなら、僕にとっての理想、最高、極上のモノづくりは、「匿名劇壇でのモノづくり」です。
そして、それでさえ理想に届いていない、なんなら、永遠に辿り着かない理想に向かって歩み続けること自体が目的、と言った感じなのです。

僕の理想はそのレベルなので、あえてこう言いましょう。
「いつだって、理想からは、ほど遠い」です。
炎上したら絶対守れよ?

リチャードさんが先生役で、残りの5人が生徒役。
3人組にしますと、3人と2人になります。
2人のほうに佐野さんがいたとして、その隣にもう一人いることになるので、孤独感が薄れてしまいますね。
よって僕は「選りすぐり感が薄れる」と考えました。

あるいは、そうですねぇ、「3人組つくって」で、それぞれ2人組のコンビができた後、それぞれが「佐野さんはいらないなぁ…。2人でやろうぜ」と言っていたら、おっしゃる通り、選りすぐり感が増しますね。

でもちょっと、あれですね。
それはもう、エグすぎますよね。
散々イヤな劇つくっておいてあれですけど、そこまで行くとエグ味が強いというか、逆に「単なる暴力」として深みのないモノになる気がします。
そういうイジメ的な内容になってくると、特に何かを感じたり考えたりする必要もなくて、フツーにただの暴力なので、やめましょって話ですよね。
僕が描きたいのは、そこに至らない、至ってないのにすごく痛い、そういうやつです。

どうもありがとうございます。
気にしないでくださいね。僕はまったく気にしていないので。

セリフ覚えが良くないとか、セリフが飛んでいたとか、彼らのブランディング的には、本当は書くべきではないことかもしれないですね。
……なんかだんだん怖なってきたな。全部消して引退したろかな。
このnoteの存在、ちょっとファンで一丸となって秘密にしておいてください。よろしくお願いいたします。協力プレイでいきましょう。

最後まで読んで、質問がなかったので、「ないやないか!」と思いました。
でも感想ありがとうございます。
死ぬほどエゴサーチしているので、とても嬉しいです。

いやぁ、ほんま「ながっ、こわっ」とか書いてもうたせいで、こんなふうに気を遣っていただく方まで…。
怖くないですからね…。
僕のnoteのほうが誰よりも長いですから。
ほんと、活字アレルギーの人、マジで読めないでしょうね。

『愛の酷薄』を、なぜ男同士の設定にしたのか。
今回の上演では
①もともと女役だった役を、男に改変する
②もともと女役だった役を、女装して演じてもらう
という二つの選択肢から適宜チョイスしています。

チョイスの基準は主に、ノイズにならないかどうか、です。
たとえば『プリンとバイオレンス』などは、物語の始まりなので、あそこで女装をさせると、ちょっとコントコントしてしまうんですね。
「お話の見方」みたいなものが、思惑と違う形で定まってしまう。

一方で『君の剝製』は逆で、佐野さんに女装してもらうことで、ちょっと皆さんに油断が生まれたと思うんですよね。
福本さんの笑顔も素敵だし、序盤はけっこうホッコリしたでしょ?
それが裏切られるから、より面白いわけで。

さて表題の『愛の酷薄』ですが、これはただでさえ要素が多いというか、人の心の機微に満ち満ちているので、そこにさらに女装が乗っかると、相当なノイズになってしまうと判断しました。
見方のバリエーションが増えすぎてしまう、というわけですね。

キャスティングについては上記で詳しく書いております。
「末澤誠也 ガチ告白」で検索して出てきた動画、ちょっと今見ようとしましたが、あまりにもファン的な人が楽しむ動画すぎて、いい歳したオッサンの僕は見てられなかったです。なんか知らんけど、女子トイレに入ってしもた感覚に陥りました。
またテンション上がったら見ます。

ありがとうございます。
あらあら、ちょうど上記の質問と重複しちゃいましたね。
上の質問の、ノイズ云々の回答をご参照ください。

そうですね、補足すると、「毎回カツラをかぶるの結構大変」とか、物理的な問題ももちろん関係しています。

ある意味、男女で上演された作品を、「女同士の設定に変えて、二人とも女装させて上演する」という選択肢だって、全然アリなわけですよね。
でも、
①多分ノイズになる
②着替えメンドイ
という理由で、それは選んでいない、という感じですね。

***

本日は一旦ここで終わります。
未消化の分も、随時回答していきますね。


次回は5月14日(土) 深夜0時35分放送です。
お楽しみに。

(了)

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