【ネタバレ有】もっとお前のことを教えてくれ!星川ァ!!【カタシロReflect:オタク早語り】
>>>すごいものを観てしまった!!<<<
健屋花那の3D舞台『カタシロReflect』を観てしまった。
アデノウィルスで自室隔離していた週末に退屈しのぎで観た1時間の動画に、もう丸3日脳内を占拠されている。
ただでさえ忙しい師走に療養でのタイムロスが重なって、メールボックスにはうんざりするほどの未読メールが貯まってるし、翌週には給与査定に関わる資格試験だって控えてる。
それなのに、とにかく話したくってたまらない。目の前の仕事に手が付かずそわそわとせわしなくすごく情けなくなっていて、このままではお賃金に響きかねない惨状だ。(12/20追記:関係ないと思いたいのですが冬のボーナスにガッツリ響きました。。。)
--と言うわけで、今回は冒頭にもある『カタシロReflect(原作:ディズム、企画:健屋花那)』の観劇感想文です。バチバチにネタバレが含まれますので、未視聴の方は配信アーカイブをご覧の上お楽しみください。
また、あまりにも語りたいシーンが多いのに俺の文章力だけでは伝わり切らない(本作はスクリーンショットの撮影・切り抜きNG)ため、苦肉の策として次のようなダミーファイルを活用しています。大変恐縮ですが、シーンの振り返りの際には諸兄の想像力をお貸しいただければ幸甚です。
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ーーーーーーーー以下、本編ーーーーーーーー
1.3D舞台『カタシロReflect』について
1-1.VTuberと3D舞台の親和性
本作は新クトゥルフ神話TRPGシナリオ『カタシロ』からTRPGの要素を丸々オミットして舞台化したもので、TRPGのゲーム部分がない代わりにキーパーとプレイヤーの演技(ロールプレイ)に集中できるようになっている。
今回、星川サラは記憶を失った患者、その担当医を健屋花那がその息子アユムをでびでび・でびるが演じている。
いきなりぶっちゃけてしまうと、視聴前は「VTuberに演劇ってできるの?」って半信半疑な気持ちだった。
決してVTuberをナメていたわけではないが、普段からカメラの前でリスナーとの生のやり取りを配信しているVTuberにとっては、むしろ即興劇は得意分野だとすら思っている。
ただ一方で、VTuberは職業柄か笑顔の印象が強く、陰鬱な描写の多いクトゥルフ神話の異様や狂気を表現できるのかと不安でもあった。
テクノロジーの進歩によって、より鮮明に彼女たちの魅力を視聴者に届けられるようになったが、それでもまだ、多様な表現や観客に訴えかける力は非バーチャル人間の方が勝っていると思う。アドリブ劇なら尚更。
まあ、そんな余計な不安は吹っ飛ばされたからこの記事を書いてるわけなんだけどね!!
1-2.自己アピールの天才:星川サラ
まずは主演の星川サラについて話したい。
星川サラは「私はこういう人間だ」と自己アピールする能力が抜群に優れていると思っていて、これがキャラが立っているということなのか、星川サラがどんな女の子かというイメージを短い時間で解像度高く視聴者に伝えてくる。
彼女を知ってまだ1週間の俺ですら星川サラがどんな女の子だか知っているような気になっているんだから、もはやちょっとした異能レベルだ。
もちろん本作においても、冒頭数分で星川サラというキャラクターの輪郭を視聴者に伝えた彼女は、その後も目線や仕草、声色でその時々の感情を伝えてくる。
既に視聴者の中で星川サラ像が出来上がっているので、我々はその一挙手一投足の意味・理由を鮮明に想像できる。
「星川って本当におしゃべり好きなんだな」
「年下の子ともこんな風に接せるんだ」
「いつもはあんなに明るいのに、星川もやっぱ女の子なんだな」
そうして次々に追加された情報によって星川サラ(脳内)は実像を結びんだ結果、存在しないはずの思い出があふれ出し、いつの間にか星川サラは昔から知る友人となっている。
目の前で演技している星川サラは、俺がよく知るあの星川そのものであまりに自然体だ。それなのに内省的にならず、彼女の言動から伝わってくるものがちゃんとある。演技をしているんだ。こんな演じ方があるのかと衝撃を受けた。
1-3.健屋花那すげぇ!って言う話
舞台が素晴らしいものになったのは、もちろん、健屋花那の名演もあってのことだろう。
本作では健屋花那は医者と進行役(TRPGでいうKP)の役割で、KP経験がある人は共感してくれると思うんだけども、シナリオが破綻しないようにキーパーしながらプレイヤーと同じ熱量で演技(ロールプレイ)するのってめちゃくちゃ難しい。
大抵は演技を控えてでもシナリオ進行を優先する。進行方向を見失って各人が好きなように演じ始めてしまったシナリオは必ず失敗に終わるからだ。
しかし彼女はそれをさらりとやってのける。
しかも、ただ単につつがなくKPとロールプレイを処理するだけではなく、共演者のアドリブを拾って綺麗に物語に活かしていく。
例えば、記憶喪失のはずの星川サラがうっかり口癖で「星川は」と一人称を言ってしまったとき。3つの思考ゲームの合間でも星川サラを掘り下げていくとき。
本当にアドリブなの?と思うくらいピタリと落とし込んでいく。健屋花那のKP適正が高すぎる。健屋さん、次はシノビガミとかどうですか?!
また、健屋花那は単にアドリブ力が高いだけではない。演技もすげぇんスよ。
理知的で気さくだがミステリアスな雰囲気の女医、息子のことを愛おしそうに語る母親、愛のあまりに禁忌に手を染めた狂人、救いを求めてくじを引き続ける壊れた一人の人間。
シーンごとに性質を変えていく医者という役を、声色をあからさまに変えたり誇張された分かりやすい演技をすることなく、見事に演じ分けた。
筆者が『カタシロ』で医者をロールプレイしたときは、こうしたくとも表現できず、結局、派手に狂気を演出してしまった。
だから、俺がやりたかった医者を演じきった健屋花那に嫉妬してしまうし、憧れてしまう。俺、役者の健屋花那のことが好きかもしれない。好きだわ・・・
ちなみに、劇中、彼女たちの口元はほとんど微笑みの形のままでした。
やっぱり俺の不安は杞憂だったんだな。失礼なことを思ってしまった。
もちろん、アユム役のでびでび・でびるのことも忘れていない。
カタシロが真に胸打つ物語になるにはアユムが無辜の愛すべきキャラクターでなければならない。その点、彼のアユムは年相応に子供っぽく、すこし甘えたで人懐っこく可愛らしい少年だった。
2.星川サラの本当の魅力
2-1.何を以て「星川サラ」とするか
『カタシロReflect』では、「囚人のジレンマ」「テセウスの船」「臓器くじ」の3つのゲームによって主演が「何をもって個人を認識するか」を炙り出そうとしてくる。
ゲームを通したやり取りの中で、きっと星川は、アイデンティティは他人や社会的役割といった外からの力によって形成されるものだとということを心の深いところで理解しているのだろうと思った。
だからこそ、社会から犠牲という役割を押し付けられても仕方ないことだと達観しつつも、せめて本人の意志だけは尊重してあげるべきだと反抗するし、自らを星川サラとして形取ってくれる友人たちのことは生命に代えても助けたいと宣言する。
自分本位ではあるが理解はできるし、何より本心だと察せられた。
配信向けに用意したものではなく、大勢の視聴者の前でありのままの考えを話す彼女は少しだけかっこよくも見えた。
2-2.あなたもきっと誰かのかけがえのない人
皆さんもご存知のとおり、この物語は星川サラの明確な拒絶によって幕引きとなった。医者の不誠実さを責め、お前は私にとって大切な人ではないよと一蹴する彼女。そんなお前に私の体を明け渡せるほど安いものではないよ。
健屋花那は意外にもすんなりと彼女の選択を受け入れ、自嘲気味に今回のやり方を反省し、それでもアユムのために臓器くじを引き続けると宣言する。
それぞれに違う強さと美しさを持った2人の女性の物語。『サラシロ』はそういう物語だ。
画面が暗転してエンディングテーマが流れ始める。進行役の健屋花那は、星川に物語の締めくくる一言を求めた。
少しの逡巡の後、一言だけ、
>>届いてた~~~ッ!!!!<<
星川は健屋花那の演技を通して、健屋花那にとってアユムがどれほど大切な人であるかをちゃんと理解していた。それでも安易な自己犠牲による感動物には寄せずに星川サラとしての芯を通し切る。あなたの何に代えても助けたいという気持ちは痛いほど理解している。それでも、私は私をあげることはできないの。だからごめんなさい。あなたのかけがえのない人を助けてあげられなくって、本当にごめんなさい。
この短い独白により、『サラシロ』は強く美しく、それでいて優しすぎる2人の女性の物語となった。美しすぎるだろ!!
2-3.星川サラの本当の魅力
前項にて、星川サラはずば抜けた自己アピール力を持っており、それによる圧倒的な親近感が武器だとお話ししたが、実は彼女の本当の魅力はそれではない。
『カタシロReflect』で見せてきた星川サラは、何よりもおしゃべりが大好きで、ちょっと悪戯っ子な大きな声で笑うチャーミングな女の子だった。それは観る前にイメージしていた星川サラそのもの、俺たちがよく知る星川サラだ。
そんなイメージどおりの彼女が最後の最後で予想外のアドリブをぶちこんでくる。等身大の女子学生こそが彼女のキャラクターだと思っていたのに、突然あんなにも大人っぽいセリフを言うなんて!そのときの衝撃と言ったら!!
星川サラを追っていると時折こういうシーンに出くわすことがある。
未知の星川サラに突然横っ面をブッ叩かれて、大混乱でしばらく胸がドキドキしたまま過ごすはめになる。いつの間にかドキドキはときめきになり、気がつくと目で追ってしまう存在になっている。完全に恋愛強者のムーブだ。強すぎて敵うはずがない。
星川サラは底知れない。これからも度々俺たちをドギマギさせてくれるだろう。
彼女はきっと一生推せるVTuberになる。ただし、一番星には生涯触れることはできない。だが、むしろそれが良い。これからも200億光年先の俺たちに、星川のことをもっと教えてくれ!!
終.折り入ってのご相談をば――
最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまでひと息に書き切ってしまったのでへとへとだけど、ようやく感情をアウトプットできて非常にスッキリしています。
さて、最後にというか、実は、ここからがこの記事を書いた主目的になるわけなんだけども・・・
俺、健屋花那のメンバーシップに入るべきかな?
というのも、メンバーシップ加入者限定でこの舞台のアフタートークが配信されているのさ。アフタートーク。TRPGのセッションで一番旨い部位。うな重のタレに浸った米、甘エビの尻尾の中の身、底紙にへばりついた北海道チーズ蒸しケーキ、etc…
月額700円は、俺もいい大人なのでこれくらいは全然払えるんだけど、サブスクってのは重ね掛けできるデバフなわけでして。既に五重くらい掛かっているし、ぶっちゃけ何と何と何を契約してるかもよく分かっていない。知らない500円を5年間毎月払い続けていたりもする。
ただなあ、絶対アフタートーク面白いんだよなあ~~
あとは言い訳だけなんだよなあ~~
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ちゃりん♪
それでは次は健屋花那のメン限配信でお会いしましょう