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今はマーケッターだけどエンジニアやってて良かったーーー

私は20代はITベンダーでサーバーサイドエンジニア、30代は事業会社でデジタルマーケティングの仕事をしてきました。
今は独立してマーケティング支援の仕事をしたり、ITコンサルの仕事をしたりで、どの方向で勝負しようか悩んでいるんですが、20代のエンジニア経験はどっちにしろ、本当にやってて良かったです。
エンジニアも素敵な仕事ですけど、このnoteでマーケティングに興味をもってくれるエンジニアが増えてくれたらなと思い、書いてみます。

デジタルマーケティングに出会ったきっかけ

私が29歳のときに、ITベンダーからコスメ通販のベンチャー企業に転職しました。
既にその会社の業績は非常に悪い状態でした。毎月〇千万円の赤字が発生している状況です。
私はITチームのメンバー数名と日々システム開発をやるわけですが、素人ながら危機感を覚えたわけです。

今みたいにプロダクトマネージャーみたいな役割が無い時代です。ITチームは各部署から上がってくる要望を聞いて開発を進めるわけですが、本当に言われた通り作るべきか、疑問に思いながら過ごしていました。

「そもそも売れてないのに、〇〇の自動化の開発をしたところで売上が改善するはずがない!」

当時の会社のメンバーとそんな話をしたと思います。

それからマーケティングのMTGに参加させてもらい、そこから私のデジタルマーケティングのキャリアがスタートします。

私が実際にGoogleの管理画面などで広告をチューニングしたり、クリエイティブを制作することはなかったのですが、広告代理店の方と話すうちに、これはチューニングの判断材料が足りてないと感じ、データの提供を始めます。
具体的には、

・商品と在庫情報からフィードを開発
在庫の無い商品のリスティング広告やリターゲティング広告などをしても意味が無いので、各媒体用のフィードを開発したり、在庫情報を自動で代理店へ送付するためのバッチを開発しました。
今となってはよくやることなんですけど、10年前の話と思って割り引いて聞いてください。
この機能、エンジニアにしてみたら簡単な部類の開発ですが、の割には数字の改善に大きく寄与しました。
リソースが限られてる中で何を開発すべきか考える、私の中では原体験みたいな開発でした。

・ブランドごとにLTVを算出し、CPAの目安を設定
例えばハンドクリームのような贈答品によく使われるような商品はLTV(1顧客が生涯にわたって購入する注文金額の合計)が低いケースが多いのでCPA(商品購入にかかる広告費)は抑えます。
逆に高単価のスキンケア商品は比較的LTVが高いブランドが多く、高めのCPAを設定することとなります。
これらを計測して代理店に連携するわけです。これは広告のパフォーマンスをかなり上げたと思います。
今となっては当たり前でしょ!という話ですけど、10年前にLTVを考えてCPAを設定するみたいな議論はあんまりなかったような気がします。

・不良在庫を減らすため、MD向け(購買担当)の商品と在庫データを解析
コスメやスキンケア商品は消費期限があります。発注量、タイミングを間違うとそれだけで不良在庫が発生します。不良在庫は原価+倉庫代がそのまんま損失となります。
逆に発注がたりないと機会損失にもなります。
それらを解消するために、在庫の受払の見せ方で発注のタイミングを可視化しました。

デジタルマーケ関連でいうと他には、データベースSEOを行ったり、オウンドメディアを作ったり、友達紹介機能を作ったり、施策はいろいろ行いました。
デジタルマーケ以外にも様々な改善を行い、結果、1年で単月の赤字は0になりましたが、会社は倒産しました、、、
悔しい記憶です。

このころにSEOの開発も覚えまして、半年ぐらいでビッグワードが10番台なったりとか、本当にこれからだ!という時期でした。
でもベンチャー企業、新規事業の厳しさを一通り経験できたことは今でも良かったと思っています。

その後のキャリア

その後のキャリアとしてはベンチャー2社とその間にフリーランスも経験しているのですが、仕事内容としては、

・BizDev全般、サービス開発
・デジタルマーケティング
・チームビルディング(デジタルマーケティングやシステム開発のインハウス化)

この3本の軸で仕事をしてきました。
事業計画もたくさん書きましたし、事業計画の代行の副業なんかもやりました。
そして、ベンチャー企業3社目で勤めていた会社のM&Aを経験できました。
(あくまで私は1社員としての経験です!)
その時出会った仲間は優秀で仕事は充実していました。当エントリーはエンジニアにマーケッターをおすすめするnoteですが、ベンチャーもオススメしたい!

エンジニアがデジタルマーケッターに向いている理由

お待たせしました。やっとタイトルに対するアンサーについて語りたいと思います。

※すいません、デジタルマーケティング初心者には難しい表現が含まれてます。

・エンジニアはサービスのデータを理解している
先のコスメ通販でもそうですが、デジタルマーケティングでパフォーマンスを上げるためにはデータを理解することが重要です。
顧客、商品、在庫、売上などなど、広告のデータとこれらを繋げることが出来ればパフォーマンスを上げることが出来ます。

広告のデータと通販サイトを繋げたり、広告のデータとCRMと繋げたりすると、広告の管理画面で見るCPAよりもっと深いKPIを追えるようになり、それでチューニングの質が上がります。
そして、あくまで個人的な感想ですが、その開発の難易度は易しいことが多いです。

大規模サービスのSEO対策を行うときは、データベースをどう変更すれば良いか、リレーションの貼り方でどう改善できるかも設計できます。

説明がデジタルマーケ経験者向けになりましたが、要はちょっと覚えれば成果を出しやすいです!

・エンジニアは仕組みを理解している、作れる
デジタルマーケティングは、インターネット広告という意味を指す場合も多いですが、そもそものサービスの仕組みまで含まれることもあります。
例えばLINE広告が大きな成果を上げているのであれば、それとCRMの連携まで設計・開発して成約率を上げたり、業務の効率化などを行ったりすることもあります。
もちろん、それは非エンジニアでも思いつくアイディアかもしれませんが、すぐ実現方法や工数見積もりが出来るエンジニアはそれだけで大きなアドバンテージです。

・エンジニアはチームの作業に慣れている
これはエンジニアが事業会社に行ったら感じると思うのですが、複数の職種の人がひとつのプロジェクトのために、チームを組んでタスクを分解しつつ、ひとつずつ段階を踏むというのは結構難易度が高い作業みたいです。
ITエンジニアひとつとっても、インフラ、サーバーサイド、フロントエンドなどたくさんありますし、デザイナーさんやディレクターさんとも絡みますし、それを束ねるプロジェクトマネージャーもいたりします。
こういう環境で仕事する人って意外と世の中にそんなに多くないと思います。
あくまで個人的な感想ですが。

・エンジニアは勉強する習慣がある
もちろん他職種でも独学でスキルを伸ばしている人も多いんですが、エンジニアだとデフォですよね。それが出来なければ生き残れない人種です。
プログラム言語も複数書けるし、フレームワークも複数触れるし、なんなら新しいプロジェクトで経験の無い技術でも引き受けちゃいますよね?
デジタルマーケティング業界も新しいアドテクや手法はどんどん出てきますが、それをキャッチアップすることは苦痛にならない人種かと思います。

もちろん苦手なこともある

このnoteを読んでくれたエンジニアが、マーケティングに興味を持ってくれるかどうかに自信がないのですが、マーケティングで一番重要なことは「人の心を動かす言葉」だと思っています。
興味を持ってもらう、購入してもらう、人に紹介してもらうといったことは、やっぱり言葉が重要なんですね。
デザインが大事な業界はありますけど(アパレルとか)どんな業界でも言葉が適当では売れません。

技術で広告予算の最適化が出来たり、データの収集・統合・計測が用意になったり、SEOを伸ばしたりなど、デジタルマーケティング分野でエンジニアが活躍できるフィールドは多いのですが、言葉に関してはエンジニアは訓練を受けていないと思います。

もちろん、ライターやディレクターと組めば苦手なことは補完しあえますし、実際LPのライティングはライターさんにお願いすることが多いですが、個人的には言葉の部分も伸ばしたいと思いつつ、このnoteもそのために続けていきたいと思っています。

君もデジタルマーケティングをやらないか?

#エンジニアでよかった

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