ローカル局の今後(いま・あと)

この数年、ローカル局の仲間たちが、次々と辞めていってる。
もちろん、同じ世界で転職している仲間も多いが、全く違う世界に行ってしまっている仲間も多くいる。特にこの数カ月、顕著。私も2年前くらいから1半年位前まで、本気で転職を考えていた。結果、この世界での目標を見つけて、頑張って新番組も、単発も立ち上げ頑張ってきたが、この4月、関連の制作会社に出向となった(苦笑)。まあ、会社辞めずに会社変われる、という超ラッキーなこと(笑)。正直、戻りたくないです(笑)。4月入って早速よしもとさんから映像の仕事を頂き、営業担当兼アシスタントのアシスタント、で現場に行ったけど、本当に楽しかった。やはり私は現場が好きみたい。

さて、このコロナ禍をきかっけにして、ローカル局の立ち位置がはっきりしてきたと思う。
①各地域で人を集めるのがローカル局の大きな役割だったのに、イベント等がなくなり機会も売上も減←5月からだいぶ戻ってきているがまだ半分程度の規模
②よしもともジャパネットも自分で局を持つ時代、より影響力を発揮できる場が増える
③もちろんSNS(特にYoutube)での発信力は大きい
④TVerでキー局の番組はほとんど見れる時代に(ローカル局は自社制作率10~20%しかないところがほとんど)

そんな中、一致団結して得た地域情報(報道だったり制作だったり)をより多くの方に伝えていく(テレビ・兼営局ならラジオ・HP・SNS・情報をキー局に上げて全国ネット)のがローカル局の仕事なんですが、このSNSというのが利益にまだまだつながらない(再生回数多ければお金はいるだろう、と思うと思うのですが、地域ニュースの再生回数は伸びないし、バズることを局のSNSで狙うことは難しい)ので、経営者(これもプロパーでなくて、他から来た方が言うことが多い気がする)はSNSに人員を割くことをよしとしない。今まで割の良い仕事が多かったからか、収入の見込めないことに人員を割けない、そう思っている感じがする。

まだまだ情報は集まってくる。それをどう伝えるか。放送局はテレビで、ラジオで、ではもうない。様々な形で情報を提供していくのが使命になっていると思う。ただ、それをビジネス(収入)にどうしていくか。トータルで考えられないローカル局は合併・吸収が目の前に来ていると思う。
ほっといたら先はない。

アナウンサーになりたい方はまだいる。でも地方局で営業やりたい若者はいない。報道記者だって、なってみたらきついだけで、キー局のような重要案件も華やかさもない。なのに何かあると休みだって帰宅後だって呼び出される。だから次々辞めていく。そうすると、人が足りなくなり、本来表に出る仕事だったアナウンサーが中身を考える役割が増える。負担が増える。やりがいはあるが、やりがいありすぎて回らなくなる。休みも取れない。で、辞めていく。いや、その前に求人見てみると、他の地区でも中途採用や第二新卒募集していて、そちらに応募してみようとなる。

この街で、どこの放送局よりも仙台つーしんの方が情報がある。仙台つーしんに取り上げられると、各テレビ局が取材に来てくれる。お客さんが来る。テレビスポットやラジオスポット打たなくても仙台つーしんさんが取り上げてくれて、内容が興味深いものなら拡散され、それでOK、となる。

10年前に仙台つーしんさんのようなことをどこかのテレビ局が始めていればどうだっただろう。もちろん他局のイベントも番組紹介もありにして。別会社作ってでも良かったかもだし。今頃それなりの影響力をもって、「こういうことだったな」となっていたと思う。まあ、10年前ではまだ収入が安定していて考えもしなかったかなあ。

景気が傾き、収入が減ると、放送局は制作費を抑えようとする。結果、視聴者・聴取者にとっていいことはあまりない。局アナの出番が増えることもあり(給料制だから)、好きなアナウンサーの露出は増えるが、増えすぎると心配になる。

情報を集める人、その情報をどう伝えるか考える人、その思いを映像や音に変える人、そしてそれを伝える人。そういう人たちが放送局に集まっていたが、そこを一人(または友人と)で全て完結して、情報の中身や面白さで個人で発信できる時代になった。放送局でしかやれないものが少なくなってきた。

ローカル局の番組制作に携わる方々はやたら忙しい。目の前の締め切りに向けて必死にいいものを、と。俗にいう「インプット」する余裕がない方が多い。まして、今のままでいいのか、と悩んでいる余裕もない方が多い。きっとどこかでこのままでいいのか、と思っている人も多いと思うが。

立場変われど、またどこかで一緒に何かやろう。そういって送り出す。  いや、私も送り出されているのか(苦笑)。




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