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留学生は国の威を借る。日本は「憧れ」の国だ。

留学先での授業が先週から始まった。ジェノバ大学は分散登校の授業形態を取っており、一部が対面、その他がオンラインのハイブリット形式である。

僕は先週オフラインの班に割り当てられた為、約1年半ぶりに対面の「授業」を受講した。やっぱり授業に関して対面に勝るものはない。特に僕のような新参者にとっては。些細な疑問を隣の生徒にすぐに聞ける。プログラミングの環境構築が上手くいかない時、授業後に教授と膝を突き合わせて解決出来る。また何よりこの空間が楽しくて、好きだ。同じ時間に同じ空間で同じ内容の学びを共有している感覚。学びじゃなくてもいい。(むしろそっちの方が良いかも笑)ふざけた事でも一緒に楽しめるような、コロナ前まで当たり前だった「授業」の感覚が新鮮だった。

そして、対面授業の最高なところと言えば、すぐにクラスメートと打ち解けられることだ。日本人が珍しいのか、僕の醸し出してる雰囲気なのか(舐められてる笑?)、よく話しかけて貰える。こちらに来て意外だったのは、授業に東アジア(日本・韓国・中国・台湾)出身の学生が居なかったことだ。東南アジアの学生も少ない。東アジアの学生に関してはよくよく調べると、オンライン参加の学生の中に複数人居るらしいのだが、先週の対面授業には誰ひとり居なかった。これは学部時代に留学していたカリフォルニア大学とは対照的である。(理系の学部は中国からの学生が沢山居た。授業中に中国語が飛び交っていたほどだ。)ジェノバ大学のロボット工学科も多様性が豊かだが、やはりヨーロッパ中から来ているというイメージで、アジアの学生は比較的少ない。(インドからの学生はたくさんいます笑!)

では、僕はイタリアの学生にどう話しかけられるのか?100%事実に基づいて紹介していきます。

<その1:現地の学生団体の留学生歓迎イベント的な場所で(似たような場面にたくさん遭遇するパターン)>
友人:名前なんて言うの?どっから来たんだ?
僕:I’m Yusuke. I’m from Japan!!(幼稚園生でも出来るレベルの自己紹介)
友人:Oh!日本いいね!!俺、日本の漫画大好きなんだよ!!NARUTOとか!進撃の巨人とか!鬼滅の刄とか!あとワンピースも有るよね!
僕:そうそう。面白いよね!(心の中:俺より詳しいやんけ。俺、NARUTOとかほとんど知らないし、進撃とかワンピースとか途中で脱落したぞ。。鬼滅は唯一全部読んだ!)
友人:ところで祐輔は、何勉強してるんだ?・・・(ここからは個人的な話なので省略)

<その2:対面授業の最初の方で、教授がMS Teams(オンライン授業で使用)のセットアップに手間取っているので、雑談(特殊・ふざけたパターン)>
友人A(モハマドくん from イラン):祐輔は日本から来たんだよな?(最初からバレてる)
僕:そうだよ!
友人A:俺、日本が大好きなんだよ。これ、面白いぞ〜。(アマプラの「ジェームズ・メイの日本探訪」を勧めてくる)
僕:へえ〜。そんなんあるんや。試しに見てみるか。(モハマドくんと視聴)
友人グループB(ジェノバ大学の学部から院に上がった人たち):何見てんだ?祐輔はあれだよな、日本から来たJEMAROの学生だよな?(バレバレ笑)
僕:そうそう。モハマドが勧めてきたから見てるんだよ。
友人グループB:ふーん。
皆(視聴中):(日本の名所とか文化とか紹介される)おー。日本ってこんな感じなのかー!
皆(視聴中):(かなまら祭の映像が流れる:端的に言うと、下ネタ系の物を神輿に担いでいる映像)
僕:(なんだこれ。。そういえば、こんな祭が有ったような気もする。。)
友人A:(ニヤニヤ)
友人グループB:なにを祀ってんだ?日本人はwwww?
僕:いや、これは日本のスタンダードではないよ笑。特殊例だよ笑。
友人グループB:それもそうか笑。面白えなあ、日本って笑。

まあ、こんな感じである。しょーもない内容ですみません笑。とにもかくにも、こうした会話から入って親睦を深めている。他にも色々な話は有るのだが、割愛するとして、2つの話に共通する点は、「日本に好印象を持っていて、向こうから積極的に日本の話をしてきている事」だと思う。僕の個人的な話というよりは「日本」の話から入っている。(つまり「話のつかみ」は日本)単純にこれ凄い得してるなあって思う。別に僕はNARUTOの作者でもなく、からまら祭の発案者でもなく、なんならアマプラのビデオの中に出てくる自然・文化・文明の何も作っていない。ただ、そこで生まれ育っただけである。ただそれだけなのでは有るが、それをきっかけとして個人的な関係性を簡単に築けている。自分の個性が凄く強いから、コミュ力が高いからというよりは、ただ単に「日本人」だから仲良くなりやすい、というだけの話だ。日本人バンザーイ。運が良いとしか言いようがない。今風に言えば、最高の「国ガチャ」を当てたようなものである。

ここで、現在の日本はなぜ国として最高の「ガチャ」であり、世界の人々から好意的な印象や憧れを向けられるのか?を考えてみたいと思う。それは、過去の日本人が類い稀な想像力と技術力と実行力で、それぞれの独自性溢れる「世界」を「日本」の中で生み出して来たからである。そして、それらを日本の文化として、アイデンティティとして継承して来たからである。つまり、現在の日本は過去の先人達の創造の結晶である。それに気づくと、日本を「ガチャ」という軽いイメージではなく、むしろ長い時の流れとたくさんの方々が紡いで来た歴史と共に大きな存在として感じ始める。同時に、「日本」に対していかに自分が小さいかと「日本人」として生まれた自分がいかに恵まれているかに気づかされる。そして、日本がこの最高の「国ガチャ」を今後も維持するのは並大抵ではない。未来の日本が「憧れ」の国のままでいられるかは、我々現在を生きる日本人一人一人にかかっている。

自民党の総裁選が近い。(多分明日かな?)イタリアにいても総裁選のニュースはチェックしている。どなたが総裁になられようが、「憧れ」の国、日本を100年後になっても「憧れ」のままの国で居られるよう導いてくださる事を切に願う。そして、僕自らも日本人として日本に恩返し出来るように自分なりに精進していきたい。(偉そうな文章を書いてしまいました。ちなみにこれは出馬宣言ではないです笑)

うん。最後らへん天声人語みたいなテイストになってしまった笑。

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