『ブルーマウンテン』 第一週 《はじまりは、雨だった…》vol.2
【登場人物】
谷崎 涼真/25歳
カフェでバイトをしている。
いつか、自分で店をオープンするために修行中。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
涼真:
『ブルーマウンテン、お願いします。』
珈琲といえば、いつも必ずブルーマウンテンを注文する。
俺が10歳位の時、家を出て行った母さんが、好きだった銘柄…
まだ母さんと父さんと仲が良かった頃、週末になると、家族4人でよく近所のカフェに行っていた。
10個年上の姉さんは、クリームソーダ。
まだ小1だった俺は、チョコレートパフェ。
父さんと母さんは、2人揃って必ず【ブルーマウンテン】を注文した。
あんなに仲が良かったのに…
ブルーマウンテンを飲むたびに、母さんのことを、思い出す…
樹:
『うわっ‼️』
涼真:
昔のことをぼんやり考えながら歩いていたら、誰かが俺の腹に体当たりしやがった。
『いってぇ〜…何やってんだよ⁈』
と、そいつを見ると、アスファルトの上に左腕を押さえてうずくまっている。
樹:
『う…痛い…』
涼真:
『大丈夫か?あ、血が…』
樹:
『た、たす、けて…』
涼真:
『お、おい!しっかりしろ!おい!おいっっ‼️』
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?