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ラテンベース 入門その32「クラーベに左右されないTumbao〜Clave Neutral〜その3 ASP〜Anticipated Single-Ponche」


4パターン×4バリエーション=合計16種類のトゥンバオ。
この中で4パターン
Tresillo(トレシージョ)
Habanera(ハバネラ)
Guracha(ワラチャ)
Bolero(ボレロ)

そして、バリエーションのうちの2つ。
Unanticipated-Single-Ponche
Unanticipated-Double-Ponche

を紹介してきました。
基本形の「Unanticipated-Single-PoncheのPonche」の部分を変化させたのが
「Unanticipated-Double-Ponche」
というわけですが、

今回は、前半部分の”Unanticipated”→”Anticipated”
と変化させたバリエーション
Anticipated-Single-Ponche
について解説していきます。

Anticipated-Single-Ponche

「Anticipated-Single-Ponch」または「ASP」はUSPの4拍目の音が次の小節の1拍目にタイしています。
このように最後の4拍目の音にタイをでつなげているバリエーションをAnticipatedと称します。
ハーモニックでリズミカルなアンチシペーション(Anticipation,先行音)は、Afro−Cuban音楽の重要な特徴です。
ベースのトゥンバオでのAnticipatedは、他の音楽のベースラインとラテン音楽のベースラインの最もわかりやすい違いであると思います。

Tresillo(ASP)

「Tresillo ASP」は、サルサやキューバ音楽において最も有名なベースラインです。
このリズムを使用して、数えきれない程のトゥンバオが作成されました。
このリズムは多くの人がアフロキューバンベースの演奏の基礎と考えています。

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。

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下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。

Ray Barretto 
"Indestrucitible"
 1:49〜

Tipica 73
"La mujer dominicana"
0:59〜


Arsenio Rodríguez Y Su Conjunto
"Linda Cubana"


Habanera(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。

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下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。

Arsenio Rodriguez 
"La que dice usted"

Orquesta Chepin Choven
"Linda Reina"
2:28〜

Oscar D'León
 "Mi Bajo y Yo"
 2:16〜


Guaracha(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。

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下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。

Chepin Choven
"Palma"
2:18〜

Orquesta Chepin Chopven 
"Traqueteala"

Bolero(ASP)

実際のコード上で演奏するとこのようなトゥンバオになります。

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下記の音源などでこのトゥンバオが聴けます。

Tito Puente
"Ran Kan Kan"
0:12〜

Jose Fajardo
"Almendra"
2:58〜

Bennny More
"Pongan Atencion"

Charang Habanera
"Pa'lo que Me Importa"
0:32〜

「Anticipated」のバリエーション1つ目の
「Anticipated-Single-Ponche(ASP)」ついて書いていきました。
残す一つのバリエーション「Anticipated-Double-Ponche(ADP)」については次回の記事で解説していきます。


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