ヤマタノオロチ(出雲神話)
出雲にスサノオ(ふつ)と言う青年がいた。
先代が半島から移住して、宍道湖と河川がもたらす豊かな土地に生まれ育った。
父のフツシはムラの長。スサノオはその御子だった。
若きスサノオには櫛稲田姫という想いびとがいたが、遠くから憧れて見るだけだった。
ある日、たたら場(刀剣鍛冶)を経営し、多くの私兵を持つ豪族のヤマタノオロチが櫛稲田姫をみそめて妻の一人に迎えることとなり、祝言の日を迎ええた。
スサノオは手下を連れて祝言の行われているヤマタノオロチの居館に忍び込んだ。
参加者たちが泥酔し眠りに落ちた時、スサノオはヤマタノオロチを急襲し、櫛稲田姫を奪って山に籠り、周囲に八重垣をたて、反撃に備えた。
しばらくして、フツシの一族がたたら場とオロチの領地を占領し終え、スサノオたちを迎えにきた。
スサノオの一族はこの戦いでオロチの所有していた神剣を奪い、近隣村々を従え、当時の最先端の刀剣技術を武器に、出雲国の基礎を作った。
その時に素戔嗚が読んだ歌が、日本最古の和歌として記録されている
【和歌】 八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を
【読み】 やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを
【意味】 雲が幾重にも湧く出雲の地で、妻との新居によい場所を見つけた。妻のために垣根を幾重にも造ろう。
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