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「蠍座の女」

(占星術寄りの内容になってます)
早朝、末っ子がわたしのお腹に頬っぺたをくっつけて、「ママ、いいんだよ。おばあちゃんだっておじいちゃんだって赤ちゃんだって、みーんなお漏らしするんだからね。ママだってすることあるよ。だから気にしちゃだめだよ」と、至極、やさしく言ってきた。
「なんのこと?」とわたしは言う。
「ママ、お漏らししちゃったねぇ」
・・・・ったくなんだよー!してないし!ラルフ(黒猫)だし!それもふつか続けてやらかしてまーす!
「いや、ラルフがやったんだよ」と、目をつぶったまま言うと、「なーんだ。ママのTシャツがおしっこ臭かったから、てっきりママがやったんだと思ったよー」と末っ子は笑った。

真夜中、黒猫の粗相を気配で察し、半目でシーツをはぎとり、真っ暗な階段を駆け降りタオルケットを洗濯機に放り込む。現場に戻り、やられたところに消臭スプレーをかけ、上にタオルをのせていっちょあがり、という一連の作業をこなして再び寝に入ったが、たぶんタオルケットを運ぶときにTシャツについちゃったんだね、猫ションが。

起きてからそのことを思い出し、末っ子の前置きの秀逸さから、「やさしさ」について思いを巡らせてしまった。

末っ子は本題(おねしょした)に入る前に、わたしを傷つけないための伏線張った。
わたしならどうするだろうか。
「あちゃー、おねしょしちゃったねー。シーツ取り替えるからちょっとそこどいて」だと思う。
「シーツを取り替える」という目的まで最短距離をとる。
で、やるべきことを済ませ、そのときおねしょをした相手が「ごめんね」とか言ったら、「生きてればそんなこともあるさ」と、秒で寝ると思う。

ここからは占星術の話になるが、まずわたしのとっさの行動の癖は、1室の山羊座が関係する。山羊座は合理性を求めるサインであるから、おねしょの対応にもそれが現れている。つづいて、「家」を示す4室のカプスが牡牛座。五感を重要視する星座の牡牛座は、「不快」に対して敏感である。
すなわち、おねしょシーツは極めて不快であるから、そうそうに後始末して、快適にもっていくのは牡牛座も関係しているのだと思われる。
そして、「他人からの頼まれごと(やっかいごと)」である6室のサインカプスは双子座だ。だから、努めて「なんでもないことさ」という軽さを表現する(癖)がある。めっちゃたいへんなことでも、他人から頼まれたりしたときは、「ぜんぜん平気」とかすぐ言ってしまうし、まずはそう思ってしまう。

翻って末っ子は、1室魚座。曖昧で、慈愛深いサインであるがゆえ、「ママ、気にしないでいいんだよ。誰でもあるよ」という「境界線がない」ということをまずは言ったんだと思う。
合わせて、4室カプスは双子座。軽いコミュニケーションの星座。「たいしたことないよ」だ。6室は獅子座なので、「他人からの頼まれごと」に対しては、「わたしのやり方でやるぜ」みたいなリーダー的やる気を発揮するだろう。

このように、占星術で紐解いていくと、自分や他人の行動が分析できて非常に興味深い。

先日、「さすが!」と唸ったことがあった。
かれこれ2年前、「なにおー!」と聞き捨てならないことがあって、それは筋が違うんじゃないのかと、どストレートに伝えたことがある。(ということすら忘れていたんだけど)
伝えた相手は完全に沈黙、その後は一度も会うことはなかった。

このように人間関係において、ときどき「言うVS言わない問題」というのが浮上し、わたしの場合は「言わない」がときに「言えない」と混同して自己嫌悪に陥る場合があるから、よくよく(くよくよ)考えてしまう。

そこで、「わたし」ってなんなのかというと、まず星から与えられたものや血族からの気質性質、身体をつくるたべもの、そこで育つ細菌たちがコロニーを形成、育った環境や出会った人、読んだ本などから、掬い与えもらったエッセンスもふんだんに注がれている。

なにかに「感動」したとしたら、それに呼応するそもそもの土壌があるわけで。
喜怒哀楽もそんな「土壌」が関係しているのだと思うし、「怒り」は生理反射というけれど、そもそもそれが「おこる」土壌がある。

そんなんをひっくるめて話しを占星術で戻すと、まずは「太陽」である。もちろん「太陽」だけじゃないが(10惑星全部に合わせて小惑星や感受点とか)、「太陽」は有無を言わせない説得力がある。それは、「ヘロヘロになりながら」(byマドモアゼル愛先生)じゃないと太陽は決して獲得できないからなのだろう。

で、「さすが!」となったのは、その人が蠍座だったこと。
わたしの言った言葉に2年も粘りつよく執着してきたのだった。
いったいそのあいだにどれだけ醸成、反芻、ヘロヘロにされてきたのだろう。

彼女はようやく、「あのときすぐに反論できなかったことを今なら」とコンタクトをとってきたのだった。
背筋がちょっぴり凍ったけど、それはとても素晴らしいことだと思った。
ふつうなら、「過ぎたことにいつまでもこだわって嫌だなアタシ」とか、「未練たらしいんじゃないのかな」と諦めがちだが、そこを蠍座を奮起して自分の気持ちを伝えようとしているのだ。
そこで「あっぱれ」と感服するのは、その人が「太陽」を発揮したからである。ただ、図らずもわたしが相手を傷つけたことは確かで、占星術を言い訳にしているわけではない。

わたしは獅子座8室、カラーホロスコープは太陽上位、次ぐは冥王星、キロンである。

潤ちゃんは、「防弾チョッキ着て行った方がいいんじゃない?」と言うけど、ここはマリーゴールド色のカットソーで元気に臨みたい。





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