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自分で考えて判断して行動する人が組織の中で力を発揮するには

弊社の留学生たちには、 自分で考えて自分で判断して自分で行動する態度を身につけてほしいと思っている。

中学高校留学生の現地サポートも、 それをいつも考えて行なっている。

ニュージーランドでは、子どもの頃から常に、what do you want?と聞かれる社会だ。 だからニュージーランドの人達は子どもから大人まで、自分はどうしたいのかをいつも考える習慣が身についている。 そしてその習慣が、 自分で考えて判断して行動する 態度に結びついている。

一方で、ニュージーランドでは、 同じ店や同じ会社、同じ組織であっても、対応する人によって言うことが違うなどと、特に昔はよく言われていた。

たとえば、ニュージーランド移民局にビザのことで問い合わせをしても、 最初に問い合わせたスタッフの言うことと2回目に問い合わせたスタッフの言うことが全く違う、などということがあった。 またある店で A さんが何かをたずねたときと 次の日に B さんが同じことを尋ねた時、 店のスタッフの言うことが違うということもあった。

これは、自分で考えて自分で判断して自分で行動するニュージーランドの人たちのその態度からくるのかもしれない、とある時気付いた。

イレギュラーなケースや 現場の判断がその場で求められるようなケースでは、 現場のスタッフが その場で自分で考えて判断して対応している。 だからこそ 違う人が対応すると 違う答えが返ってくるのだろう。

でも、これではお客さんは満足しないし、いろんなトラブルが起る。

ではこれに対して、ニュージーランドの組織ではどのように対応しているのだろうか。

22年間ニュージーランドで暮らしてきた 私の経験から見えてくるのは、とりあえず昔も今も、現場の人たちが その時の状況に応じて自分で考えて判断して対応することは、許されているということだ。

その上で、ニュージーランドの組織は、きちんとしたFramework (フレームワーク)を作り、詳細をマニュアル化する。そしてさらにそれに基づいて、徹底してスタッフを訓練している。

そうすることによって、「ある程度」統一した 対応ができるようになる。そしてその「ある程度」の部分を、フレームワークの細分化とマニュアル、徹底したトレーニングによってできるだけ小さくしている。

そうすることによって、原則として現場のスタッフに自分で考えて判断して対応する という裁量を与えながらも、組織全体として統一した対応を取ることができる。

まずは基本の文化として個人個人が自分で考えて判断して行動するという態度があって、その上で 統一した対応を組織全体で行うために、きちんとした細かいフレームワークとマニュアルを作り、それを徹底させるトレーニングを行う。

そういう考え方がニュージーランドの組織にはあるように思う。


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