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シリーズ・留学を考える [21] - NZ大学留学

ニュージーランドの大学留学やポリテク専門学校留学が、語学留学や中学高校留学と違うのは、世界で通用する高度な資格がとれることだろう。

特に大学でBachelor コースやMaster コースを修了すれば、学士や修士の資格がとれる。その資格は世界中どこでも通用するから、大学を卒業すると一気に活動の範囲が「世界」に広がる。たとえば、ロンドンやニューヨークで求人が出ていたらすぐに応募することができるし、世界中どの国の人材エージェントにも登録することもできる。もちろん、大学を卒業する時点で英語力はまったく問題ない。

これは、「偏差値の高い」日本の大学を卒業しただけでは得られない資格と力だ。

ニュージーランドの大学は8校あり、全て国立だ。日本のように偏差値でランク付けされているわけではなく、大学入学試験があるわけでもない。ニュージーランドの高校でUniversity Entrance (UE)の単位を取得すれば、基本的にはニュージーランドの大学に入学することができる。ただし、大学や学部によっては、一定以上の成績や特定の科目の履修などが求められる場合もある。

日本からニュージーランドの大学に入学するためには、学力と英語力の2つの入学基準を満たす必要がある。

高校卒業(見込み)の人なら、高校在学中の成績が一定以上なら学力があるとみなされるし、日本の大学で1年以上在籍している人は、その成績や取得単位で学力の入学基準を満たすこともできる。英語力は、学士レベルならIELTSアカデミックモジュールで総合6.0(全てのモジュールで最低5.5)以上が基準だ。

もしこれらの基準を満たしていない場合は、大学付属の、あるいは大学が指定したファウンデーションコースで半年から1年間勉強することで、入学資格を得ることもできる。学力の基準に達していない人はアカデミックの勉強を、英語の基準に達していない人は英語の勉強をする。ファウンデーションコースを一定以上の成績で修了すると、IELTSを受験せずに大学入学資格を得ることもできる。

ニュージーランドの大学を卒業するのはかなり大変だ。

たとえば3年間で360単位、1年あたり120単位、半年で60単位を取る場合、前期後期それぞれ4科目程度を履修することになる。それぞれの科目で、大量の本を読み込んで、レポートを書いたり、発表したりすることが求められるし、学期の最後には大きな試験もある。

現地学生でも週に10時間から20時間程度は家で勉強しなければついていけないから、英語を第二言語とする留学生はさらに時間がかかる。

3年間の高校留学後にオタゴ大学に進学した弊社の留学生は、「授業のない土日に必死で勉強することでなんとかついていけてます」と言っていた。平日だけでは時間が足りないのだそうだ。

そんな生活を3年間続けていたら、本当の実力がつくだろう。ニュージーランドの大学を卒業した人とそうでない人の力の差は歴然だ。社会もその力を高く評価する。

大学で得られる資格は、たとえばBachelor of Arts とか、Bachelor of Sports Coaching とか、Bachelor of Business とか、Bachelor of Science とかいろいろある。これは日本でも同じだろう。卒業時に得られる資格は、Bachelor of Arts Majored in Economics などとなる。

資格を得る基準は国が定めているから、ある資格を取ったということは、国が定めた基準を全て履修し理解している証明となる。だから、どの大学で取った資格でも、同じ名前の資格なら、基本的には同じ評価だ。

日本のように大学に偏差値でランク付けがないから、「〇〇大学卒業」というのがいわゆる「資格」になるわけではなく、あくまでも勉強した内容が「資格」になる。

現在(2020年11月末)は、ニュージーランドへの入国が制限されているけれど、2021年からニュージーランドの大学では、海外からもオンラインで受講ができる。もちろん単位取得もできる。入国できるようになったらそれぞれの大学に通学する。

そもそも昨年まででも、ニュージーランドの大学は授業を学生にライブ配信したり、オンライン授業を行ったりしていた。教室で受講することを基本としながらも、何らかの理由で出席できない学生でも自分で勉強ができるシステムが出来上がっていたのだ。

ニュージーランドの大学で留学する学生は、授業があるときの週20時間以内の就労と、夏休みなどの長期休暇中の時間制限なしの就労が認められているから、生活費の一部を自分で稼ぐこともできる。また、来年は、オタゴ大学などは、留学生を対象としたNZ$10,000のスカラシップ制度を設けている。

そう考えると、為替レートにもよるけれど、日本で下宿をして東京や大阪の私立大学に通うのと同じ程度の費用で大学留学ができるかもしれない。

弊社でも2021年にニュージーランドの大学留学をする人がすでに複数いる。かなり勉強しなければならないから、遊べる時間は少ないけれど、わずか3年間で、世界の求人に応募できる実力が確実につくことを考えると、チャレンジしてみる価値は大いにあるだろう。もちろん、ニュージーランドの永住権取得にも大きなアドバンテージになる。

日本の大学もいいけれど、卒業後の長い人生を考えると、ニュージーランド大学留学は、これからの若い人たちにとって確実に一つの選択肢になると思う。


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