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シリーズ・留学を考える [8] - 寮生活ってどうなの?

中学高校留学や大学留学で、学校の寮に入る人もいる。

大学生の場合は、留学生も現地学生も1年目は寮に入って、2年目からはフラットシェアなどに移る学生がほとんどだけれど、中学高校留学生の場合は、留学期間中ずっと寮で生活する。長い人だと5年間だ。

中学高校の寮は、もともとは現地生徒で通学できない距離に自宅がある人を対象としている。そこに、留学生も希望すれば入寮できる。ただし、一部の人気のある学校の寮は、現地生徒だけで満室になることもあるし、タイミングによってはどこの学校の寮も満室になる。

寮は多くの場合、男子校、女子校に多いけれど、ごく少数共学で寮がある学校もある。

寮とホームステイの一番の違いは、他の生徒たちと一緒に毎日生活することだ。たとえば、ロトルアボーイズハイスクールやセントビーズカレッジの学内にある寮には、約150人の生徒が一緒に暮らしている。ニュージーランドの高校の多くは5年制で、Year 9からYear 13、日本でいうと中学2年生から高校3年生までが在籍している。もちろん寮でも5学年一緒だ。

だから、寮で生活をすると、150人ほどのいろんな年齢の人たちと一緒に毎日毎日暮らすことになる。ここがホームステイとの大きな違いだ。

また、どの学校の寮にも寮監督がいて、寮内や寮のすぐそばで暮らしている。子どもも含めて家族で寮内に暮らしている寮監督もいる。寮監督は、寮生の安全と健康を守ることはもちろんのこと、特に年齢の低い生徒たちの指導をしたり、一緒に時間を過ごしたり、規律を守らせたりする。食事も寮生と一緒にとるのが基本だ。

寮生も寮監督もずっと一緒に暮らしているので、長い時間が経つと、もうみんなで一つの家族のようになる。150~160人の大家族だ。それも長期留学生にとって寮生活のいいところだ。

寮の平日の生活はどこもおおよそ以下のようになっている。

朝6時半から7時までに起床
8時前までみんなで食堂で朝食
8時過ぎに登校
午後3時ころ授業終了後寮に戻る
6時ころからみんなで食堂で夕食
8時ころまで勉強時間
9時から10時にかけて、下の学年から消灯就寝

週末やスクールホリデー期間中は、現地生徒たちの多くが実家に帰るので、寮には留学生を中心とした少人数が残る。学校によってはスクールホリデー期間中はホームステイに滞在するところもあるし、そのまま寮に滞在できる学校もある。

弊社の留学生に寮生活について聞いてみると、ほとんど全員が「寮は楽しい」と言う。特にラグビーなどスポーツをやっている留学生は、毎日が合宿みたいだとも言う。そんな人たちは「ホームステイは友達もいないし、さみしいし、窮屈だ」と感じるようだ。一度寮生活の楽しさを覚えた留学生は、もうやめられない。

留学は、場所を変え、出会う人を変え、生活の時間を変える。日本で家族と一緒に暮らしていた人にとっては、その全てが一気に大きく変わる寮生活。最初は衝撃的だと思う。

でも、ロトルアボーイズハイスクールやセントビンセントカレッジを初めとして、ニュージーランドの中学高校で寮生活を経験した留学生はみんな寮の魅力を強く語る。それだけの大きな魅力があるのだろう。

そして、ホームステイのホストファミリー同様に、寮生活を共にした友達や寮監督とも、一生の付き合いをしていくのだ。


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