まずは自分のやりたいことをやってみよう
ニュージーランドは、子どもの時からいつも what do you want? (あなたはどうしたいのか?)と聞かれる社会だ。
だからニュージーランドの人達は、子どもでも大人でも、常に what I want (自分はどうしたいのか)を考える習慣がついている。
ニュージーランドで留学をしている中学高校留学生達も、ステイ先でも、学校でも、ラグビーのコーチからも、そして関わる全ての人たちから、what do you want? と聞かれる。そして、自分はどうしたいのか?と常に考える習慣が身についてくる 。
ここは日本と大きく違うところの一つだと思う。
日本では、親も、学校の先生も、ラグビーのコーチも、子どもに関わる多くの人たちが、あなたはどうしたいのか、と子どもに聞くことはあまり多くないだろう。その代わり、周囲の大人たちは子どもに対して、あなたはこうしなさい、ということが多いように思う。
だから日本の子ども達はいつも、周囲の大人たちは自分にどうして欲しいのだろう、と考えることが多いように思う。もっと言えば、自分がこうやったら周りの人達はどう思うだろうか、どんなリアクションをするだろうか、とまず考えてから、それに合わせて自分の行動を決める。 そこには what I want 、つまり自分はこうしたいという考えが入り込む余地はほとんどない。
もちろん、ニュージーランドの大人たちでも、子ども達に向かってこうしなさいという時もあるだろうし、日本の大人たちが子どもたちに向かって、あなたはどうしたいのか、と聞くこともあるだろう。
でも、日本から来た学中学校留学生を見ていたり、私の子どもやその友達の学校での様子を聞いていたりすると、おおよそニュージーランドと日本ではこのような違いがあるように思う。
この違いが子どもたちに与える影響は大きい。
ニュージーランドの子どもたちや、ニュージーランドに留学している中学高校留学生たちは、常に、自分はどうしたいのか、を考えながら生活をする。 それが周囲から求められているからだ。
それに対して日本の子ども達は、周りの人達は自分にどうして欲しいのか、自分の言動や行動が周りの人たちのどんなリアクションをおこすのかを考えながら生活をする。つまり他人の行動をまず考えて、そこから自分の行動を決定するようになる 。それが周囲から求められているからだ。
周囲の人の意見をよく聞いて周囲の人の要求に応えることももちろんとても大切だ。社会の中で生きている限り、自分のやりたいことだけをやり続けることはできない。
でも、中学高校生の年齢で、いつもいつも周りの人達のリアクションを気にして自分の行動を決めていると、自分はどうしたいのか、がだんだんわからなくなってくるだろう。
だったら一度、一体自分は何がしたいのかを、とことん考えてみてもいいのではないかと思う。人がどう言おうが、自分の言動や行動に対して人がどんなリアクションをしようが、まずは自分がやりたいことをよく考えて、そしてそれをやってみる。
もしそれでうまくいかなかったり、何か問題が起これば、その時にまた考えて、それに対して自分からリアクションしてみればいいのだ。
自分がやりたいことをやらずに、最初から人のリアクションばかり考えて行動していると、いつまでたっても自分のやりたいことができないし、そんな習慣が身についてしまうと、自分はどうしたいのかさえわからなくなってくる。
ニュージーランドで生まれ育った子どもたち、ニュージーランドで十代の頃から留学生活を送っている中学高校留学生たちは、常に自分はどうしたいのかを自分自身に問いかけながら生きている。
日本の十代の人たちも、例えばまずは1ヶ月間だけでもいいので、自分はどうしたいのか、をじっくりと考えて、まずはそれをやってみる。そして周囲の人達からのリアクションをみて、またそれに対処する。
そんなことをやってみてもいいと思う。
T.Ueno
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