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ドッグイヤーと考える脚

こんばんワイルド。

大豆の英名「ソイ(ビーンズ)」の語源が “醤油” だったことにびびったままのきくっちゃんです。こっち発信かい!

えー。


本大好きです。

いまだに紙の本もたくさん読みます(電子書籍はまだマンガのみ)。

実は本を読む時の癖があって、、、
気づいたらページの端をこんな風に折ってしまうのです。

ドッグイヤー01

これ、ドッグイヤーというみたいです。
ようは「ここ、なんかぐっときたから印つけとこ」ですね。だいたい一冊にこんくらいやっちゃいます笑。

ドッグイヤー02

似た行動に
・付箋を貼る
・アンダーラインを引く
・蛍光ペンでなぞる、囲む
・もっと大胆にページを折る
があります。
もちろんそんなことぜってーしねえ派もいると思います。

個人的には
「付箋」←はみ出すのが嫌。他のページの付箋との整合性を考えるのがめんどい。
「アンダーライン」←こういうことする人間は実はちゃんと読んでいない、と思っている。
「蛍光ペン」←こいつも信用できない。あと、蛍光ペンをもう何年も見ていない。
「もっと大胆に」←次回、読みにくい。

で、僕はページの上の角(裏表カブった時は下も使う)をちょこんと折るのですが。
これの利点はなんといっても

いったいそのページのどこを気に入ったのか、結局しっかり前後を読まないと分かんない

ってとこなんです。
アンダーライン君みたいな安直タグ付け野郎にはない楽しさなのです。
僕は同じ本を3-4回は読むのですが、大抵は最初からまた全部読み返します。
そして、その2回目だか3回目だかの読書時にも、半ば無意識にぐっときたページの端を折ろうとします。
そして気づくのです。
あ、前もここ折ってる! ふーん。た、たぶんここかな? どうだったっけ?
あ、ここだここ。うん、いいこと言ってるぜ。
この感じがたまらない。

もちろん、うーん、なんでこのページの「どこか」を気に入ったんだろう? って場合もあります。
それはそれでまた楽し。


さて本題です。

考える脚

これ。
3月かな?
世の中が閉じてしまう直前に書店で買ったこれ。
登山系書籍のコーナーで、宮田八郎さんの『穂高小屋番 レスキュー日記』と最後まで迷って、ううううわああこっち! と買ったこれ。
実は前から大好きで、そして言い続けていたある日、僕たちのラジオにちらっと出演してくださることになったのです。
冒険研究所を開放します

この件です。


で、『考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと』

なんか、なんか、なんか、素晴らしい本だった。
阿呆みたいな表現になるけど、、、めちゃくちゃ面白かった。
あ、一応リンク貼っておこう。Amazonですが。開くかな?
『考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと』

いわゆる「冒険家」が「冒険」について書いた本なのですが。
こう言ってしまってはアレなんですけど。
荻田さん、僕が「こういう人であってほしい」っていうイメージ通りだった。
本のタイトルからも分かりますよね。
考えるのが好きな人なんだと。
↑“あし” の方ね↑

ちょっと昔に「クレイジージャーニー」で見たのが荻田さんを知るきっかけ。
もう衝撃だった。
この方、ひとりで、方法も装備も自分で考えて、なんでか知らないけど北極点を歩いて目指すのです。無補給単独徒歩。
そして、その様子を自分で撮影してるのです。
それが一人称カメラではなく、なんていうか、とっても醒めた視点のカメラマンがちょっと遠くから撮ってるような画。
それもそのはず。自分でカメラを設置して、そこを通って、また戻ってカメラを回収して、そして進んで・・・。つまり同じところを最低3回は歩いているのです。
まずこれにやられました。
普通に考えたら死にに行っているような場面で、なぜ3回も。。。
そんで、けっこう文句言ってるんです。
ちくしょう!なんだよこの氷!とか。
たまに蹴ったり。
なんでこんな目にあわなきゃいけねえんだよ! ってキレてるんです。
あるいは荻田さん。出発前にめっちゃんこ太っていくんです。
もちろんこの話もばっちし書いてあります。
なんとなく脂肪を蓄えてー、とかじゃない。もう読んでるこちらの脳みそがびりびりするくらいの計算で「だったらこんだけ太っていこう」って計画して太るのです。このカロリー消費と持って行く荷物と脂肪量の計算のクダリはまじでしびれました。


・・・・こんなんばっか。

ああああ、ここが荻田さんの面白いところなのよー!って書き出せばきりがない。
というか、それを全部書いてゆくと、まんまこの本になるんだと思う。

なんで荻田さんがこんなに面白いのか。

それは、荻田さんが、考えることを楽しいと思っているからなんだなあと。

考えて起こした行動があるとき元の考えを追い越し、追い越された考えがまたちくしょう!って行動に追いついてそして追い越し、するとまた行動がさらにその先へ進み・・・、
この無限の連鎖を心から楽しんでるんだなあと。

ここで自分の話をするのも気がひけるけど、僕も考えるのが大好きで。これはもう仕方のない癖というか生理現象みたいなもので。
でも、考えたことを「これ、僕の考えです」って提出するほどつまらないものはないことも知っているので、それをどうにか建築とかデザインとか音楽という形にしてるんです。自分が面白いと思うために。

そして、ここからはもう酷いくらいに僕の偏見なのですが、
この考えるタイプの人って、
世間がイメージする “その職業の人の見た目” とかけ離れている
気がするのです。

冒険家に見えない。
農家に見えない。
蕎麦屋に見えない。
音楽家に見えない。
石油技師に見えない。
サッカー選手に見えない。
花屋に見えない。
教師に見えない。

・・・荻田さん、冒険家に見えないんです。
そこがもう一番好きなところなのです。


いまこの本、ドッグイヤーせずに2周目です。
最初の数ページで気づきました。
この本ぜんぶおもろいから印いらんわ、って。


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