白洲正子さん

その鑑識眼や生き方に多くのファンのいる白洲正子。
その白洲さんの著書「ほとけさま」を読んだ。
様々な媒体に寄せた草稿をはじめ
未発表エッセイも収録されていて新鮮だった。
まだ私が生まれる前の時代の空気も感じた。

この方のはっきりとした物言いは気持ちがいい。
足を運んで自分の眼で見て聴いて感じて確かめる。
そういう自分の言葉で綴られた文章は説得力がある。

白洲さんにかかるとあの魯山人もけちょんけちょん・・
物だけでなく人を見る眼も磨かれていたと思う。

各地の仏像についても造詣が深いから
「ほとけさま」はどこかの仏像について書いたものかと思っていたら
法隆寺夢殿の救世観音のことだった。

はじめてみた「仏」で、
あまりにも崇高で、美しくて、言葉にすることが憚られた。という。


最後に行ったときは
扉が開かれたとき、思わず泣き出してしまった。
・・・・
何かとてつもない力に打ちのめされ、縛りつけられて
身動きができなかったという感じである。・・・


昔の人が、救世観音を上宮王の化身と信じたのは正しい・・・


この人が言うと本当だと思えるし
確かめに足を運んでみたいと思わせる。

だからこそ根強い信奉者がいるのだ。

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