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今、フィリピンでキチママと暮らしてます。(17)

お犬様



ある日、居候(姉)が子犬を連れてきた。

昼寝から起きると、一階で犬のカン高い鳴き声を聞いて驚いていってみると、白と黒の雑種がリビングを走り回っている。

なんで?

と、キチママに聞くと、居候(姉)の友人の子犬が生まれたので、育て親を探していたのでもらってきたというのだ。

知ってたの?

と聞くと、「うん」と答えるキチママは嬉しそうだ。


ちなみに、私は子供の頃から犬が大嫌いだ。

もともとアレルギーやアトピーがあり、犬に近づくと肌が荒れたり、鼻水やくしゃみが出る。

それに小さい頃、朝ランニング中に犬が道路にいて追いかけられたり、登校中に友人が噛まれたりしたのを見てから犬が嫌いになった。

正直、近寄るのも、見るのも、あのカン高い鳴き声を聞くのも嫌だった。

大学卒業後に実家に戻った時、家族で犬を飼っていたので、犬と暮らすのがイヤで当時母と喧嘩をして、父の単身赴任先で仕事を探したくらいだ。

キチママと付き合い始めた当時から、犬を飼いたいと言われて、私の病気のことや犬嫌いの理由を言って断ったが、そのときは泣いて悔しがっていた。

そのあとも何度も犬を飼いたいと言っていたが、ダメだと言っていた。

でも、娘もずっと犬がほしいと言っていたから、昨年末「どうしても飼いたい」と言ってきたときに、「外で買うこと、ちゃんと世話をすること」を条件にOKしたが、翌日から家の中で飼い出し、寝室で寝させるようになった。

結局最後は犬が部屋中におしっこをするので掃除が面倒臭いと言ってyayaさんに任せ、自分は怒鳴ったり、竹製の定規で叩いたり、罰として餌も与えなくなり、最後はおばさんの家に置いてきた。

そのことをキチママに言うと「今回の犬は全然大丈夫だから。」と意味のわからない言い方で返した。

犬が嫌いだから、「せめて外に出してくれ」というと、隣にいた居候(弟)が「You are bad!(お前はダメなやつだ!)」と言っているのに、腹が立つ。

私以外は犬と暮らしたいから、という理由で家主の意見は聞き入れられず、子犬を飼うことに決まり、何が言おうとすると「もう決めたから!もう言わないで!」と感情をむき出してくる闘犬のようなキチママに心から嫌気がさす。

この居候たちがきてから、この子達優先に考えるようになってきている。

とくに姉の意見や希望を優先し出して、私や娘は二の次になっている気がする。

こうして、だんだん少しずつ、自分の家に居場所がなくなってきている。


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