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【詩】永遠の乖離

『永遠の乖離』

 
「あの人、ちょっとおかしいのかな」
街中で見かけた人を、無意識にそうやって区別しようとする私。
自分が『そう』だから、なんとなく気づくことも多い。
 
これは『差別』なんだろうか。
あのひとは「フツウ」、でもあのひとは、「ちょっとオカシイ」。
そんな風に心の中で周りの人を勝手に区別することは。
 
でもきっと、私も誰かにそうやって
「区別」という名の「差別」ってやつを、されてるんだと思う。
 
被害妄想。自意識過剰。
「考えすぎだよ」「そんなことないって」
「大丈夫だよ、気のせいだから」
 
そんな風に言えるのは、あなたが私じゃないからだよ。
 
きっとフツウの人が考えつきもしないようなことで、
私は永遠に思考の迷路をぐるぐると迷っている。
 
ときどき、ひどい自己嫌悪。私はとても醜い人間だ。
自分だって「オカシイ」のに、でも、「あの人よりはまだマシだ」とか、
そんな風に人と比べて、自分を必死で守ろうとして。
そんなこと、何の意味もないのに。
「あの人」は「あの人」で、「私」は「私」で、
全然違う人間なのに。
違う人間なんだから、お互い違うのは当たり前なの。
 
それなのにどうして「みんな一緒」が好きなんだろうね。
 
私もみんなと同じように、フツウに生きられたらよかった。
でも、私は私だから、「オカシイ」自分でしか生きられない。
 
病気を克服するためにはまず、「フツウじゃない自分」を、
「オカシイ自分そのもの」を、しっかり受け入れなきゃいけないんだ。
フツウじゃなくても、少し人とは違っても、堂々といられるように。
一人で立って、まっすぐどこまでも、先に進んでいけるように。

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