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【詩・短歌】ひとつになれない心たち

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気ままに、詩や短歌を載せていきます。
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記事一覧

【詩】やがて還ってゆくもの

すべての感覚が研ぎ澄まされてゆく。 誰のものかも判然としないいくつもの声たちが容赦なく突…

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【詩】心もとない場所でただひっそりと

暗く深い色に染まった空を見上げる。 何光年も離れたところから輝きを放つ星たちが、 また、日…

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【短歌】日常を切り取る

●泣いている でもすぐ笑う ほがらかに くるくる変わる 幼子愛し ●空見上げ ポツリと当…

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短歌、または詩のようなもの

●悲しみの 雨降りしきる 日暮れ時 ふと振り返る かすかな光 ●しあわせに なってほしい…

【詩】すべてはその言葉によって

言葉は武器になる。 ただ一言で誰かの心をズタズタに切り裂いてしまう。 言葉は怖い。 その危…

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【詩】眠れぬ夜もやがて明ける

朝が来てしまう。 また、眠れないまま、朝が。 眠れない夜を過ごす日は決まって心に膜が貼る…

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【詩】言えなかったさようなら

『言えなかったさようなら』 学校の屋上に一人たたずんでいる。 日の暮れた、夜のはじまり。 目の前に立ち並ぶビルの群れからぽつぽつと光があふれていた。 あの光の中には、無数の人生が横たわっているはずだ。 見も知らぬたくさんの、顔も名前も知らない人たちの。 そんな世界の中に、私は今たった一人で立っている。 下の方を見ていたら、一瞬ふらっと体が揺れた。 慌てて柵によりかかる。 がシャンと音を立て、柵は私を支えてくれた。 なんで、どうして。この期に及んで。 私はおかしくて笑って

【詩】永遠の乖離

『永遠の乖離』   「あの人、ちょっとおかしいのかな」 街中で見かけた人を、無意識にそうや…

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