【詩】言えなかったさようなら
『言えなかったさようなら』
学校の屋上に一人たたずんでいる。
日の暮れた、夜のはじまり。
目の前に立ち並ぶビルの群れからぽつぽつと光があふれていた。
あの光の中には、無数の人生が横たわっているはずだ。
見も知らぬたくさんの、顔も名前も知らない人たちの。
そんな世界の中に、私は今たった一人で立っている。
下の方を見ていたら、一瞬ふらっと体が揺れた。
慌てて柵によりかかる。
がシャンと音を立て、柵は私を支えてくれた。
なんで、どうして。この期に及んで。
私はおかしくて笑って