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無意味という価値

物事には、例外なく理由や意味があると思っている。

結果に対して「なぜそうなったのか」を知りたい。
OKやNGで振り分けたいのではなく、そこに至ったプロセスを収集したい。
自分のことでも、他人のことでも。

どんなものでも、結果に対する感情は「無」。
強いて言うなら、好奇心なので「楽」の可能性は高い。

私自身に不利益が発生した場合には「怒」がついてくるだろうが、
それ以上に、意図・経緯を知りたい。
「なぜそうしたのか」「なぜそうなったのか」
そこを回収しておけば、次に活かせる。という利点に繋がる。

しかし、秒で繰り返すが、損得の前に好奇心があるので、
「次に活かせる」は、
相手から聞き出すための、誘い言葉に過ぎない。

あとは、聞き出すことで「怒」が静まる場合も多い。
自分に非があるか否かのあぶり出しにも繋がるし、
是非の原因も必然的に見えてくる。

これらはすべて、好奇心を隠す蓑でしかないので、
無論、聞き出すときの顔は、平静を装う。

好奇心丸出しで、嬉々とした表情のまま
「なんで?」「どうして?」なんて聞いていたら
聞かれたほうは、めちゃくちゃ怖いと思うので。

自分の好奇心は人よりも強そうだ。という自覚はあるが、
結果までの経緯や、そうなった理由は、
誰しもが考えているものだと、ずっとそう思っていた。

社会人を10年以上やって、そうではない。ということに
最近になって、やっと気が付いた。

全員が全員、理由や意味まで考えていない。
だから、仕事が偏るし、改善にたどり着けない。

Aの方法で上手くいかないときに、別の方法を試せば良いものを
「いつも上手くいってないから」という理由でAで実行し続ける。

「上手くいってない」が正解なわけないだろ。

どうにかして、上手くいく方法を考えるのが仕事。
最低と最高のラインを浮かべて、研磨と妥協を繰り返す。
自分と他人の許容範囲を擦り合わせていく。

作業の大小に関わらず、業務をやりやすくする。簡素化する。
業務の平準化を行い、「誰でもできる」仕事を増やす。
作業のできる人間が増えたら、今度は人を管理する。

いかに効率よく管理するか。「上手くいく」管理方法を探す。
どんな人間が働いているのか。負担は偏ってないか。
「誰でもできる」は、同じように「誰でもできる」なのか。

業務内容を定期的に見直す。
時代にそぐわない部分はないか。現代に適しているか。
替えは利くのか。利かない場合の対策はあるのか。
視野は狭くなっていないか。固執していないか。

同じことを繰り返しすぎても、利益は上がらない。
平準化した業務内容に変化をもたらさなければならない。
否、変化分は業務拡大と考え、対応できる人間を精査する。
分業か、兼業か。

…と、現実味の薄い綺麗事を並べたが、
こういうことは、誰でも考えつくものだと思っていたのが
つい最近までの私である。

理由を尋ねられたときに、初めて考える場合が多いようだ。
「なぜそうしたのか」「なぜそうなったのか」
咄嗟に出た回答は、だいたい嘘か、「わからない」のどちらか。
事実が出てくるには、少々時間がかかる。

意図や理由に、意味はなくてもいい。
なんとなくとか、雰囲気とか。そういうので全然いい。

意味がなければないほど良いと言っても過言ではない。
なぜなら、後付けし放題ということだから。

手元で辻褄を合わせるようにしてもいいし、
俯瞰したときに、遠いところで意味が見つかるかもしれない。

「何も無いがある」という屁理屈が好きだ。
こんなに便利なポジティブ、どんどん使い倒していきたい。

冒頭の、どんな物事にも理由や意味がある。というのは
「何も無いがある」の同義で、「意味がないという理由」が、
世間的に通用しているから。

意味のなさを理由に行うこともあれば、
振り返ってみて「あれって無意味だったな」と気付くこともある。
どちらも有益なプロセスだと思っている。

無いなら無いで、無いんだと知らせてもらいたい。
私はそれを日々望んでいる。公私ともに。

別ルートを探す。切り替える。主導権を渡す。
一度決めた道を変更することに、躊躇いが生じるのは当たり前だが、
背くことも手放すことも、退くことさえも、場面によっては正しい。

無い=否定。ではないということも呈していきたい。
「無い」は、ある種すべての終着点で、分岐点。

意味があるかないか。
結果からしか得られない可能性もある。
であれば、まずは結果を出そう。

一旦、着地してみてから、ゆっくり振り返ろう。
その言動に意味があったかどうか、決めるのはそれからでいい。

意味や理由を持ったまま、走り続けてる人は少ない。
それを学べた私は偉い()

「意味が無い」のであれば、それを理由にしよう。
そこから生まれる視点がある。価値がある。

無意味こそ、無限の可能性なのかもしれない。

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