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Niezwyciężony

中学生の頃に読んだスタニスワフ・レム Stanisław Herman Lem 著「Niezwyciężony(無敵)」(邦題:「砂漠の惑星」)の一場面。
強力な無人戦車に大量のスウォーム型ドローン?が集中して、そこで発生する高熱により電子回路を作動不能にする。

その後、これがスズメバチに対抗するニホンミツバチの「熱殺蜂球」から来たアイデアだと気付くまでにややかかった。
外敵に対して熱殺蜂球を作る行動を獲得したのは東洋のミツバチだけだという。Niezwyciężonyは1964年に書かれているが、このときまでにはレムの居るポーランドへ、ニホンミツバチの防衛戦術に関する情報が伝わっていたことになるのか。
養蜂に関係するサイトをざっと当たってみたけど、そのへんの事情が読み取れるものは見つけられなかった。
いずれにしても、蜂を「黒い結晶体」に置き換え、惑星の生態系の王者として描いた作者の着眼点は非凡極まりない。

当時のポーランドのことだから、熱殺蜂球の様子は労働者がわーっと集合して資本家を倒すイメージ(社会主義リアリズム?)を想起させるので、この作品は国策に適っている、とかいわれて当局に賞賛されたりしたのかなあ。

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