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欧州アナグマ考(2)

ヨーロッパ各国でのアナグマの呼称をGoogle翻訳で調べてみたけど、その勢いで、欧州各国語版のWiki記事でアナグマについて書かれた記事を比べてみた。
そこには、英語版Wikiには記載されていない情報が膨大にある。
ちょっと一度には消化しきれないので、ぼちぼち読むことにした。

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ドイツ語版Wikiには、アナグマDachsは寓話などでは「Grimbart」と呼ばれるという記載がある。
手元の独和辞書でこの語を引くと、アナグマを指す雅語とあり、おそらくgrimm(怒りの)+bart(ひげ/鉤爪)の複合語で「怒れる鉤爪」の意か。

ロシア語版Wikiによると、東スラブ語でアナグマを指す語(ロシア語:Барсук等)はチュルク語族での名称に由来するという。
その一方で、スラブ祖語の*jazva、*jazvina「洞窟」が、古代教会スラブ語やスロベニア語、ブルガリア語など南スラブ語でのアナグマの名称の元になっているらしい。

因みに、チュルク語族でのアナグマの名称は、 トルコ語:Porsuk カザフ語:Борсық「ボルシク」 ウズベク語:Porsuq タタール語:Бейджер「ベイジェー?」 等々。

こうした動物の名称についての変化には、それぞれの地域が辿ってきた文化的な歴史が反映されているのだなあ、と思った次第。


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