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土中の暗闘

書店でチラ見した科学雑誌に、「ヒラタケが線虫を捕食する」という記事があったので驚いた。調べてみなくちゃ。

線虫を攻撃し、殺害後に菌糸を侵入させてタンパク源とする「線虫捕食菌」は、ヒラタケに限らず数多くあるらしい。それらが発達させてきた捕食手段とは、
①線虫を麻痺させる毒素を生産・蓄積し、線虫が近付いたときに放出する。
②粘着性の捕獲器(菌糸の網)を持つ。
③とげ状の突起を持つ細胞があり、線虫が近付くと外皮を貫通し麻痺させる。
④菌糸の輪を持ち、それに線虫が入ったとたん収縮して拘束する。
⑤菌糸に細かく枝分かれした突起があり、迷路として機能してそこへ入った線虫を捕らえる。
等々。

ヒラタケの菌糸が持っている捕食機能は①と②だけど、この罠を回避して菌糸を食べ、シストを作って繁殖する線虫の種類があるという。

暗闇の土中(等)でこんな暗闘が繰り広げられているとは知らなかった。
(2023.7.10)

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