自由の代償
前にも書いた気がするけど、ムーミン谷の「彼」スナフキンの行動や身なりは、ロマの特徴として伝え聞いているものにだいたい合致する。
・パイプをくゆらす
・べからず看板にトラウマがある
・アコーディオンを演奏する(ハーモニカは別?)
・定住しない
・人の土地に勝手にテントを張る 等々。
何者にも囚われず、自分の信じるものだけに拠って放浪生活を続ける「彼」は、私達からは憧れを持って語られることが多い。
しかし、住所不定・無職で(たぶん)納税者ではなく、他人の土地を(一時的に)占拠するその行動は、地元の居住者たちからはロマの人々と同じように嫌われる厄介者なのだろう。
その姿は、私にとっては、野山を歩いて長い間付き合ってきたサルたちの生活と大きく重なるものがある。
(オスは秋から翌春にかけて)血縁集団の群れで行動するから、孤独を愛する単独行動者であるというわけではないが、好きな時に食べ、好きなところで寝て、あらゆるところでうんちをする(;;)サルたち。
ときには人里に出て農作物を盗み、銃を持って追われては姿をくらますという行動は、かつて(今でも)偏見と差別を持って語られた流浪の民の所業とも通じる。
ならば、定住民から石もて追われるのは、彼らが手にした自由の代償なのだともいえるのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?