「自分の考えを他人に押し付けるな」という主張の矛盾

よく「自分の考えを他人に押し付けるな」という主張を聞きますが、これ、矛盾してますよね。なぜなら「自分の考えを他人に押し付けるな」という考えを人に押し付けた発言ですから。

そもそも私は自分の考えが正義だと思うならばそれを他人に押し付けることは真っ当だと思います。
とある親が教育と称して子どもを虐待していれば、私たちは"虐待はいけない"という考えを彼に押し付ける必要があるでしょう。
他人のものを盗む人がいれば、私たちは"窃盗はいけない"という考えを彼に押し付ける必要があります。

正しい考えは押し付けるべきなのです。
(何が正しいとするかは中々難しい問題ですが。)


よくヴィーガンや宗教を信じる人に対して「思想は自由だが他人には押し付けるな」「自分たちだけでやれ」という人がいますが、これも的外れだと思います。
貴方が"人を殺すことがいけない"という考えを他人に押し付けるのが当然であると思うのは、自分の考えが正しくて、全員が守るべきだと思っているからです。

貴方がヴィーガンであると想像してください。動物を殺して食べることは人殺しほどでないにしても非常に罪な行為です。ならば、「自分だけ動物を食べないことを実践しよう!」とはならないはずです。人々が罪を犯さないようにこの考えを広めようと思うはずです。

貴方が(熱心に)宗教を信じていると想像してください。神様は絶対にいます。神様を信じれば救われます。ならば、「自分だけ神様を信じよう」とはならないはずです。人々が救われるように半ば強引にでも布教活動しようとなるはずです。

私はヴィーガンでもないし、宗教を信じているわけではありません。ただし「自分の考えを押し付けるな」という的外れで矛盾を含んだ発言は絶対にしません。

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