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キマるアルコール

香りものが好きだ。コロナ禍が絶世期だった頃に、どこでも見られたアルコール消毒液は、残念ながら自分の手には合わずに困った覚えがある。そこで運よく発売されたのが、推しがコラボして出したハンドジェル。推しがコラボした、というオタクにとって大きすぎる主語を差し置いても、すごく香りがよく、使い勝手も良かった。パケだって、推しが印刷されていない部分を切り取ったとしても、オシャレさをきっかけに買う人もいそうなくらいのデザイン。控えめに言って最高だった。本当は販促のためにURLを貼り付けて大々的に紹介すべきなのだが、世の中の「コラボ商品」は命が短い。マジで再販してください。

それはさておき。こういった香りのあるハンドジェル、使うときにすごい勢いで顔面にアルコールを食らう。自分は、手に出した瞬間に、アルコールの部分が揮発してとんでもない上昇気流になって顔面を目掛けて飛んでくるのだと思っている。

そして自分は、そんな純度120%にも錯覚できてしまうような、一瞬にして強く飛びかかってくるあのアルコールの香りが好きなのだ。

炭酸が苦手なのでお酒はあまり飲まない。かといって、ワインや日本酒を好むのかと言われたら、それも違う。だけど、自分は、酒屋で樽売りしているアルコールの香りが好きだ。学生の時にアルバイトとして働いたことがあるが、いも焼酎を詰めている時は普通に腹が減った。

樽は麦、芋ともう一つあって、中でも、名前が思い出せないそのもう一つが好きだった。鼻を突き刺す純度の高いアルコールの香り。店長が「それはもう酒じゃなくてアルコールみたいなもん」って言ってたのも、度数の高さとか、種類の違いとか、そういうのを感じさせて妙にはっきりと覚えている。

最近は暑くなってきたのもあり、ハンドクリームをやめて、アルコールハンドジェルに戻ってきた。久々のアルコールに、鼻奥の”何か”を察知する神経みたいなのが歓喜の声をあげている。久々のアルコールにフロアは爆上がりだ。
ショッピングモールにあるアルコール消毒液とは何が違うんだろう?香りが含まれるとアルコールをより感じやすくなったりするのかな。

そんなことを思いながら、今日もありがたくアルコールを味わった。
キマるぜ。

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