ワンオペ仕事なんて二度とやるかよ
夏。それは、好きでも嫌いでもない普段のワンオペ仕事が、唯一大嫌いだと声を高らかにして言う季節。
なんでこんなことになっているのか、それは3年前に、この会社を辞められなかったからだ。
今だから笑って言えるが、あの時、自分はうつだった。今でもヒステリー球くんとは友達である。もういいよ居なくなっても。
うつの時って、びっくりするくらい思考が働かなくなる。あの頃、昼飯を食べるたびにえずくのが嫌だからといって、全部ねこまんまにして無理やり胃に流し込んでいた自分。脳内にはただ毎日のタスクをどうこなすかの思考しかなくて、その思考がショートして本気で何も考えられなくなった時、自分が用意したのは、辞めるか次を探すか、の2択だった。
今になって思えば、あのとき人事に言われた「休む」という選択肢は、最適解のひとつだったと思う。いかんせん日数は短かったが。
規定で取得できた休職期間は1ヶ月。
そのうちの半月は、人間の形を保つだけで精一杯だった。食べて寝て、あつ森して。あつ森とか牧場物語って、脳死でもできるゲームなところがすごい。
後の半月は、狂ったように遊んだ。色々。
回復したかどうかも分からないまま、自分は、用意されていたまっさらな椅子に座らされた。
思うのだが、ストレスで休職した人間に、まっさらな土地を渡して、「はい!じゃあ今から君にはね、周囲の国との外交を考えつつ、このな〜んにもない土地に、周囲の国ができなかったことを特産にした国を作ってもらいます!よろしく!」つってよく言えたな……。
特産にしたいものについて、ちょっとだけ知識のあった自分は、何も考えずに、そこの椅子を自分のものにした。
というか、うつで死んだ思考能力が1ヶ月で戻るわけがないから!もうこの時の自分に何を言ったって遅いけど!
でも、結果的に、ワンオペ仕事は性に合っていた。
誰のことも気にしなくていいし。
でも、他国にできないことをやっているので、特産を輸出したら他国からクレームもそれは、来るさ。
だけど開発者は1人で、実働隊も1人なんだよね〜。納期?余裕持ってくださいよ。どうして外交も制作もしてるのに、そっちの情勢まで鑑みなきゃいけないんですか???
……となるのが、この夏だ。いわゆる繁忙期。
誰も住んでない国の発展を独りで進めるっていうのは、どうにも虚しい。他国が特産品で喜んでいるなどの外的情報を拾っている時間すらない。世の中の開発者たちは、ちゃんとファンレターとかもらっているのだろうか?自分は、この椅子に座ってから、良いと思ったものには良いと声を上げるようにしている。
虚しいが、他国のために大稼働する、そんな夏ももう終わる。
二度とやるか!こんなワンオペ!!
……でも仕事内容は好きなので、量を減らすか人員雇って♡
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