見出し画像

マッチ収集とエロスの研究はじめました

偶発的な出会いってすごい。

古書に人が群がっていた。
普段、古書店どころかブックオフですらガラガラなのに。

客層が若い女性ばかりと本来の古書店と異なるが、それもそのはず。レディースの服屋が立ち並ぶ場所に、突如として小洒落た洋書やポスター、古書が置いてあるのだ。そんなの、若い女性が「オシャレ〜」「カワイ〜」「ウヒァ〜(これは私)」と集うにきまっている。普段本なんて読んでねぇだろというお客も物珍しさで集まってくる(失礼)。

つまり(?)、京都ポルタのイベントスペースで、マヤルカ古書店のポップアップが開催されていたのだ。 

古書店なんて、今までの人生で縁がなかった。

もし今日京都に髪を切りに行かなかったら。もしひとりカラオケに行っていたら。もし目当ての眉マスカラがすぐ見つかって京都ポルタに用がなかったら。

きっとこの先も縁がないままだっただろう。

古書店にポスターなどのアンティーク品がおいてあることなんてつゆ知らず、その魅力も知らないまま死んでたんだろうな。

何もかもに目を奪われてしまう素敵な店内をゆっくり物色。最終的に私が選んだのはこちら。


なんでだ



みつけちゃったんだよなぁ。
出会っちゃったんです。


こちら。

マッチ箱のラベルですって。
なんて洒落てるの!!!!

1970年頃のチェコのものらしい。ちょうど1ヶ月前にデンマーク旅行でマッチ文化に感動し、マッチを買い込んだところだった。こんな楽しみ方もあるのかよ、マッチ。なんだよ!!!集めたくなっちゃうじゃん!!!!

偶然の出会いってすごい。
人生の趣味が不覚にも増えてしまった(喜)。





…なんですか??
気になるのはそっちじゃないって?

ええ、わかってますよ。こちらでしょう。

見たかったんでしょう!残念でした、このヘンタイめ!


『エロスの世界』。いや、偶然にも追い求めていた書籍だった。私が変態だから、という理由は一旦脇に置いておきたい。知的好奇心から追い求めていた。いや本当に。

最近、デンマーク国立美術館や京都文化博物館を訪れた。その体験で得たことは、「エロスってどこからくるんだろう??」という純粋な疑問だった。

写実的な裸体はわかりやすくセクシーだが、どこが身体かわからないような抽象画に異常に興奮を覚えたりもする。そんなことってありますよね。チラリズムが裸体よりもぐっとくるとか、なんかそういうカンジ。

シュルレアリスムなんて、特にすごい。ただの球体によくじょ…興奮しそうになる。私が大学の授業で衝撃を受けたのはこれ。


(若干のグロ注意、写真をスキップしてください)



表紙になっている、ベルメールの球体関節人形の写真がイチオシ。お腹のパーツの上下それぞれに女性の腰パーツがついているもの。(これが一番グロくない。他の人形は少しエグい。)

直接的か間接的か、よくわからないけどすごく官能的。なんでなの??ただの球体じゃん。

こういった経緯から、美術作品のエロさがどこに起因しているのか気になり始めた。ちゃんと考えをまとめてnoteにしたいなと思っていたのだが。重い腰が上がらなかった。

そんな中、この本に出会った。パラパラとめくると、真面目な文体でエロについて語っている。
こりゃ読んでnoteを書くしかないと、急いでこの本を手に取ったのだった。自分で自分を追い込むことで考えを深めることができるタイプの趣味になるはずだ、と言い聞かせて。


さて、ここからが大変だった。

他人にとられてなるものかと手に取ったはいいものの、これを持ったまま店内を物色し、最終的にレジに持っていって購入しなければならない。さながらエロ本を買う男子高校生だ。好きな芸人が言っていた、エロコンテンツを実店舗で買う緊張感ってこれか。まさか女子大生の私が体験することになるとは。

無事購入できたが、帰るまでは異様な緊張感だった。
奇跡的に色付きの中身が見えないタイプの袋に入れてもらえたのだが、電車での帰宅中、「乗客の中に透視できる人がいたら、こいつスケベだなとバレちゃうんだろうなぁ」と考えてしまうくらい怯えていた。エロ本を買うのも大変だ。

そんなこんなで帰宅。さあ、読みますかと本を開いた。









これ、本当にただのエロ本じゃねえか!!!!

(脳内さまぁ~ず三村)




9割9分9厘写実的な性的絵画だった。文字はほんの数ページ。


画集としては非常に価値のある本だろう。
だけど、だけどね、今回の目的には沿わなかったんだ。

「エロスってどこからくるの?」というnoteを書くのは後回し。次のミッションは、1ヶ月後の引越しのタイミングでこの本を母に見つからないようにすることに定めた。


…エロ本隠しってめっちゃ大変なんですね。
まさか、ネットが普及する前の青年、今の40代以上の男性の心中をお察しすることになろうとは。どんな経験だよ。


これもまた、偶発的な出会いなのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?