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抗生物質は何処へ


 抗生物質は体内で分解されないため、
余剰分は尿や便と一緒に排泄される。

 多くの先進国では、排泄物とその中の
抗生物質は下水処理場に行く。だが、最
先端の設備でさえ、抗生物質を完全に取
り除くことはできない。下水処理場のな
い地域ではなおさら、抗生物質が河川に
流れ込みやすい。

 そして、抗生物質が使われる量は年々
増加していて、公衆衛生に驚くべき効果
を発揮し、命にかかわる感染症から何百
万もの人々を救っているようにみえます。

 そう考えることも出来るのですが、人
体で役割を果たした後も、この優れた薬
は自然環境に影響を及ぼしている、とも
言えます。体外に出た抗生物質はそのま
ま残り続け、薬が効かない薬剤耐性菌の
進化をうながす可能性があるからだ。

 英ヨーク大学の研究者らが、フィンラ
ンドで開催された環境毒性学化学会欧州
支部の学会で5月発表した最新の研究によ
ると、テムズ川からメコン川、チグリス
川など、世界中の91河川を調査したとこ
ろ、3分の2近くで抗生物質が検出された
そうだ。

 この研究を率いた1人であるヨーク大学
の環境化学者アリステア・ボクソール氏
は、これは大問題だと話す。

 生理活性物質である抗生物質を、私た
ちの社会は、自然環境に大量に排出して
いるのです。



#抗生物質
#生理活性物質
#川へ流れ出る

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