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エッシェンバッハ/N響のブルックナー7番

クリストフ・エッシェンバッハは、私にとってはピアニスト。
モーツァルトのピアノソナタや、ベートーヴェンのピアノソナタに表れる、独特の悲壮感が魅力的で、
若い時には、飽きることなく彼の録音を聞いていた。

それが今や、御年80を超えた大指揮者になっている。
知らなかったわけではないけれど、私にとっては髪のあるピアニスト時代が全てだったので、
チェックはしてなかった。

でも、年齢のことを考えると、いつまでも聞いていられる訳でもないだろうし。
せっかく聞けるなら、ということで、定期演奏会に行くことにした。

曲目は、ブルックナー7番。
肩肘張らずに聞ける中では、一番好きな優美さを持つブルックナーの交響曲だ。

私の感覚では、二楽章が一番良かった。一楽章はその次に良かった。
三楽章、四楽章は、オケとしてはよく纏まっていたけれど、
ちょっと輿に乗った感じ?トランペットがトチってたし、惜しいところがチラホラ。
堂々とした良い演奏だったけど、最後までもっと冷静に聞いてたかったなーという感じ。

生のオーケストラは、コントラバスの低音と弦の艶やかさがたまらなかった。
低音は、壁を這って上からも落ちてくる。
弦は、オーディオでは感じられないような潤いのある、深い音。
これらだけでも、生で聞くのに十分な価値があると思う。

当たり前なのかもしれないけど、N響って上手いよね。
コンマスの人も、時には席から立ちそうなほどに感情が籠もってて良かった。

4/20(土)NHKホール。
レインボーパレードと五木ひろしコンサートの人混みを抜けた先。
渋谷はカオスだった。