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撮影日記(6)

空港での撮影をしばらくお休みしようかな。飛行機に乗りに行ったついでに撮るくらいはするかな、とは思っているけれど、飛行機という被写体はとても「強い」被写体で、飛行場という場所は不自由な撮影場所である。もちろんそれが楽しいところでもあるし、航空機がカッコイイというよりは旅情をcaptureしたいと思って撮っていたので、ややこれから述べることとの矛盾はある。

でも、もう少し構図を切る訓練を積んだほうが写真が楽しいかなと感じている。もっと空間的に不均質で、もっと被写体の上下関係が弱くて、もっとカメラと被写体の関係性を自在に調整できる場所で。

スーツケースをガラガラ転がしてここのエスカレーターを登ったことがない人に何かを訴える写真になっているだろうか。


最初はいろいろ試していたこの構図も、結局は飛行機が後ろ側にいない限りはあまり魅力的な構図として成り立っていないということがわかった。気づくの遅いか。
ここで撮っていることの意味はなんだろうか。連写してこの1枚を選んだその意味は?
人間と航空機のサイズ感が良い塩梅ではあるけど、陰影それ自体が美しく写っているのかはわからない。簡単なようでいてすごく難しい構図だから、これを撮れたということに技術的に満足しているだけなのではないか?
きらきらしていて綺麗だけど、それがこれを単なる記録写真以上の価値ある一枚にしているかといったらそこまでの説得力はない。
流しの失敗作。でも狙って撮ったものよりよっぽど何か語っている感じがした。
いいところにいい被写体が来たけど、ここまで来てしまうとフェンスがどうも邪魔である、、、とぐるぐる考えていたら、そもそも向こう側のものは飛行機でなくても同じ思考で同じように訓練できるように思えてきた。

自分の写真なんもおもんない期になっているので、被写体を変えて頭を少し柔らかくしてまた戻ってきたいと思う。

1億円くださった方の名前を論文の謝辞に記載させていただきます