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つぼ型交友関係

昨日あるきっかけがあって思い出した話。

随分前の話になるが、友人に「きみの交友関係はつぼ型で、大多数の人は浅い付き合いで終わってしまうが、ごく少数の人とはとても深い付き合いをするので、その深い付き合いの対象になると噛めば噛むほど面白い」と云われたことがある。たしかにそうだなぁと思って彼の言語化能力に感心したのを覚えているものだ。

私の交友関係は狭い。顔が広いと云われることもあるけれど、「つぼ」で云うところの入り口のあたりの人が多いだけで、それは知り合い程度、それは少し話したことがある程度、あるいはすこし一緒に仕事をしたことがある人でも、私にとってはさして深くはない交友関係で終わってしまう。その程度の知り合いとの繋がりを持続する努力をわたしは尽く放棄している。でも一度つぼの中に入ると「噛めば噛むほど面白い」らしい。面白いかはさておき、噛めば噛むほど的側面があるのは間違いないと思う。そしてその人(たち)とひたすらに付き合いをする。なんでなのかはよくわからない、シンプルに対人関係に疲れがちなのかな。

そんなわたしが信頼をおけると感じることの多いひとに「つぼ」の話をしたら、「つぼが深くてよかった」と言ってくれた。自分では「つぼ型」の交友関係をそこまで好ましくないのではないかと思っていたので、「よかった」と云われたのは初めてで、ちょっぴり嬉しかった。正確には、そのときはもっと別の感情でいっぱいだったけれど、思い出すとちょっとだけあたたかい気持ちになる。これを読んでいるかわからないけど、あのときそう言ってくれて、ありがとうって云いたい(あらたまって直接伝えるのは恥ずかしい)。

もうしばらくは生きていく予定なので、わたしはそんな付き合いをやっぱり大切にしていきたい。よいこともわるいこともあるけれど、自分にはそれが合っている気がする。それが結局は一番だ。

1億円くださった方の名前を論文の謝辞に記載させていただきます