がん患者の意思決定支援 成功の秘訣 実践編

2022年6月に,はじめての単著である「がん患者の意思決定支援 成功の秘訣」を上梓しました.医療従事者,おもに医師や看護師にむけて,日ごろ感じている意思決定支援の難しさや解決への糸口をできるだけわかりやすく記したつもりです.
 その最後の一文に,「実践編」の構想があると宣言して,前作を締めくくりましたところ,発刊元の中外医学社から早々に,次回作の提案を頂戴できましたのも,前作を手に取っていただいた読者の皆様,お一人お一人のおかげであると感謝しております.
 前作を読まれた感想をたくさんいただきました.
 望外にも,がん患者さんやご家族,がん体験のある方,これからがんになるかもしれないと心配されている方々,患者団体のスタッフの方などから,「読みました」と言っていただけたのはうれしく思いました.
 しかし、頂戴したお声の中には,「難しかった」「眠たくなった」というご意見も少なくありませんでした.たしかに,文体こそ平易にするように心掛けたものの,総論的な話に終始してしまって,一部に事例を盛り込もうと努めたものの,全体的には物語的な要素を排除した内容となってしまったので,小難しい議論に終始してしまい、みなさまの気分が乗らないものになってしまったと反省しています.
 そこで,今回は実践編と題しまして,7つのストーリーを用意しました.それぞれのストーリーにある問題点を明らかにして,意思決定支援の秘訣を語ることができればと考えて挑むことにしました.
 学生の頃に,小説を書きたいと思って遊びで書いたことはありますが,それを職業にしようという考えも器量もないままに,この構想を持ち上げましたので,中外医学社の編集さんからは,たくさんの指摘やご意見をいただきつつ,あとで種明かしをするための物語を少しずつ組み立てていきました.
 言い訳がましく聞こえるかもしれませんが,後で重複のない形で種明かしをすることを前提に物語を作るという私の器量を大きく超えたことに挑んでいますので,細かい部分で(いや,大まかな部分でも)ツッコみたくなるかもしれません.
 どうか広い心で,読んでいただきまして,これからにつながるご意見は,温かい言葉でいただければありがたいです.
 とはいうものの,読者のみなさんの貴重な財産と時間をいただくわけですので,十分に配慮して執筆を進めます.そして,この本を読んで,やはり根底にある理屈として総論的な話も知りたいと思う方がおられましたら,前作あるいは本文中にご紹介している書籍や論文に目を通していただけるよう願っております.
 それではしばしの間,おつきあいください.

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