見出し画像

令和6年10月の朝礼

 全国の地方公務員のみなさん、おはようございます。今日から10月、令和6年度も後半に入りました。ダブル台風は先島諸島で18号に警戒が必要ですが、17号は太平洋上を北上して本州に影響は少なそうです。
 
 先月21日、台風14号から変わった温帯低気圧と秋雨前線の影響で大雨特別警報が出された奥能登地方では、元日の能登半島地震の復旧もまだまだ進まない中で、大きな豪雨災害が引き起こされました。亡くなられた方のご冥福と行方不明の方が一日も早く見つかることをお祈りするとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。今回の災害では地震の爪痕が被害を大きくしている複合災害であるといえますが、地震災害の仮設住宅が水没するなど、災害が一度で終わることがないというリアルをまざまざと見せつけました。防災対策についても多重に被災する場合も想定して取り組んでください。また、発災直後から現地入りして救助活動に従事していただいた緊急消防援助隊を始めとする全国の地方公務員のみなさんに感謝申し上げます。
 
 さて、今日、石破茂内閣が発足する予定とされています。石破自民党総裁は、農林水産大臣、防衛大臣に加え、地方創生担当大臣を歴任しており、地方重視を標榜していますが、これまでの地方創生政策がどれだけ成果を生じてきたのかを振り返り、人口減少や地方の衰退に効果が見られない施策に対して、新たな手を打ち直すよいきっかけになるのではないかと思います。ただし、新内閣発足前から憲法7条解散を9日に行い、15日から衆議院議員総選挙を公示すると表明してしまい、立憲主義を逸脱しているところには注意が必要です。そして、急な選挙が27日の投開票を目指して進んでいきますので、大変だとは思いますが、全国の選挙管理委員会のみなさんもミスのないように準備をお願いします。
 
 ところで、昨日、斉藤元彦兵庫県知事が失職しました。パワハラやプロ野球阪神・オリックス優勝パレードに伴う資金環流などの問題を覆い隠そうとしたことから県議会の不信任決議を受けて失職出直し選挙を目指すとしています。また、同じく大石賢吾長崎県知事は県議会の集中審査で2000万円の架空貸付けや286万円の迂回寄付を隠蔽しようとしてきた経過が明らかとなりました。知事や市町村長には権限が集中するだけに、職務専念義務や守秘義務がある公務員組織としては、独走する長との関係に苦慮するかもしれませんし、場合によっては組織内で大人のいじめのような状況が生じることもあるかもしれません。しかし、行政情報は住民共通の財産であり、悪い情報であっても隠蔽することなく公表するというのが特別職一般職を問わず正しい姿勢であると信じます。みなさんもそれぞれの立場で住民に対して真摯に向き合っていただきたいと思います。
 
 そうして、追い込まれたときには、がっぷり四つに組むのではなく、いったんいなしておいて、その場から逃げるというのも追い詰められない一つの手だと思います。先週最終回を迎えた「逃げ上手の若君」は実際にあった中先代の乱をモチーフにしたアニメですが、主人公の北条時行は孤独と戦いながら生を考え続け、仲間を増やしていくという、まさに令和の時代を先駆けた内容となっています。政治が信頼を失い、社会が支え合えなくなりつつある今だからこそ、組織の中での大人のいじめをなくし、職員同士互いに孤立させることなく協力して仕事ができる職場環境を作っていただきたいとお願いして、今月の朝礼を終わります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?