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【湖南市選挙解説22】風が吹く

滋賀県議会議員選挙も終盤戦に突入しました。最後の3日間が始まりました。今朝の天候は曇り。昨日までは今日の夕方から雨の予報でしたが、現在のところ降雨は21時以降とされており、今晩の塚本しげき候補陣営の「総決起集会」への参加はしやすくなりました。天候を理由にできなくなったので、しっかりとハコを埋めるために「動員」が鍵になってきます。

塚本しげき総決起集会

今日の朝刊で心待ちにしていたのは塚本陣営のビラでした。もしもう折り込みされてしまっていて見逃しているのであれば、見かけたという方はご連絡いただければありがたいと思います。本当であれば、今晩の400人超を集める「総決起集会」に向けての機運を高めるためには今日の折り込みがベストなタイミングでした。

今朝、すがぬま利紀(菅沼 利紀)候補がFacebookを更新し、昨日、選挙事務所に生田邦夫湖南市長が訪れた際の事務所内の写真を公開しました。昨晩に続くアップであり、自民党甲西支部長である生田市長が3人は当選できないのに計算できずにフラフラと立憲民主党現職や無所属新人へ走る行為に対して強い牽制をしているといえます。

すがぬま利紀候補事務所内部

生田市長はこれまですがぬま事務所への訪問を意図的に避けてきました。推察される理由は、①市長にしてもらった恩義がある塚本陣営への配慮、②すがぬま候補を牽制するために擁立した藤川陣営への義理立てですが、それらを越えて議席2に対する3人目としてすがぬま候補支持へ大きく舵を切ったということになります。

これを、選挙業界においては「風が吹く」と言います。それまで布団を被ったり去就を明らかにしてこなかったキーマン・キーウーマンがある日あるとき突然に支持を明らかにすることがあるのです。私の最初の選挙の時にも、それまで布団を被っていた奥村展三元民主党代議士が選挙の折り返し時点で初めて選挙事務所に顔を出した際、陣営のベテランたちは「安心しな。風が吹いてきたさかいに」と白い歯を見せていました。

もうひとつ、「風が吹く」状況にあるのが柴田 栄一候補の陣営です。4人の候補のなかで唯一、国政政党の党首が応援演説に入るということが昨日明らかになりました。告示日の2週間前というギリギリの時点で、しかも他の市議会議員の応援を誰ひとりもらえていなかった候補に国政政党の党首が応援に来るというのは、通常であればあり得ないことです。まさに突風が吹いたということでしょう。

日本維新の会街頭演説

こういう「風」をうまく捉えられるかどうかが、終盤戦では重要になってきます。昨日は石破茂元幹事長が県内各地で応援演説をされたにもかかわらず、湖南市に入って来られなかったのは力不足であったと言われかねませんし、明日のすがぬま候補の個人演説会の状況はまさに自民党支部長の責任が問われるところです。

また、明後日、日本維新の会の馬場信幸代表が街頭演説をするのは塚本候補の事務所前ですが、これまで塚本候補の演説に聴衆があまり足を止めてこなかった場所ですので、うまく聴衆が集まれば翌日の投票日に向けてさらに勢いが付くのかもしれません。

「風が吹く」の逆が「ネガティヴキャンペーン」というものです。陣営の状況が追い込まれていくと、不安に苛まれて相手陣営を貶めたいと思うようになってくるのは人の情として理解できないわけではありません。相手候補に否定的なイメージを植え付けたいと思い、衝動的にやってしまうのがネガティヴキャンペーンなのです。

よく「怪文書」と呼ばれる①作成者不明、②内容がそれらしい不確かな事実、③特定のターゲットを貶めることを目的にしている文書が撒かれることがありますが、文書に限らず、ネットでもたびたび見かけるものです。ネットの場合は匿名のように見えてすぐにネット探偵に特定されてしまいますので要注意です。

湖南市選挙区でも、某陣営から「維新はあかん。何もできん。ひとりでは何もできん」という発言があったという情報が届きましたが、報告者が「それならあいつはこれまで長い議員生活で何かできてきたのか」と吐き捨てたようにブーメランとして戻っていきますので、ネガティヴキャンペーンは厳に慎みたいものです。そして、実はネガティヴキャンペーンをすると陣営が厳しい状況であると自白しているようなものですので、誹謗中傷ではなく自分が実現したい未来の政策を語っていただければと思います。

みなさんから情報が寄せられていますが、まず8時前には「今朝の大谷交差点情報です。藤川候補の車が停まっています」として、4名の男女が手を振っているという情報が伝えられました。セブンイレブン前で行き交う通勤自動車にアピールしています。藤川陣営は塚本候補の地元大谷区を完全に封鎖しようとしているようです。

大谷交差点を占拠する藤川としき陣営

その塚本候補は、8時15分に針交差点のセブンイレブン前で候補者が手を振っていたという情報が届きましたが、一緒に「8時になったらパーンと切り替えて街宣に出なアカンやないか」ということや「そのあとそのまま岩根の事務所に戻って、選挙カーは事務所に置いたままや。もっとグルグル回らなアカンやろ」とお怒りも届きました。いや、私のところにお怒りになっても困るのですが。

そういう意味で、今朝のすがぬま候補による事務所内写真の公開はとても良い取り組みだと思います。他の事務所としては柴田候補がガラス越しに内部が見える事務所の外観を上げただけで、藤川陣営の事務所は建物前の景色が藤川みゆき市議のInstagramにアップされていますが、塚本候補のFacebookには事務所の写真は見えません。有権者が訪問しやすい事務所づくりも選挙戦術の基本のひとつです。

柴田栄一候補事務所
藤川としき候補事務所

さらに、昨日は奥村元民主党代議士が自民党支部長である生田市長を訪問し、何やら会合を持ったという極秘情報にも接しました。いよいよ終盤戦に向かって、どこが勝ち馬なのかを見定めようと疑心暗鬼の情報交換が始まったのでしょう。今晩は立憲民主党公認現職の塚本候補の「総決起集会」が予定されています。

終盤戦を迎えてようやく白熱してきた選挙戦ですが、生田市長は無所属ではなく自民党支部長ですので、自ずと政党政治家としての足枷が課せられます。それを理解せずに敵対政党の応援をするのは言語道断の「反党行為」でしょう。少なくとも日本維新の会の柴田候補に対しても等距離で対応したのであればまだ言い訳はできますが、柴田候補の出馬にわざわざ「生田です。残念です」というコメントを付けるような塩対応ですから、市長としての中立の立場ではなく、自民党支部長として動いた選挙後には、2議席に3人の候補を応援した責任は当然問われるでしょう。

極めて低調だった選挙戦を憂いて、こうした情報や解説を上げていますが、やはり一市民としては限界があります。ぜひ、選挙に携わっている当事者のみなさんから一次情報をドンドン出していっていただきたいと思います。

SNS上では、何か陣営が候補者ひとりに全部押し付けて傍観しているように見えますが、立場上、候補者が言えないことを周りのみなさんが伝えてあげていただくと、より情報が身近なものとなります。

選挙を通じて地域の未来を明るいものにしていくためには、まずは選挙に興味を持ち、政治家に興味を持ち、政治家の語る熱い言霊を聞き、信用できる政治家の目利きができるよう、みんなで盛り上げて行ければと思います。

また、引き続きプロ顔負けの一般市民のみなさんからの情報もお待ちしております。

あと2日半、残りはわずかとなりました。各陣営とも悔いを残さないよう全力で頑張ってください。

      (2023年4月6日記)

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