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私流、中国・ハルビンの歩き方。「食」編。

中国最北端に位置する黒龍江省こくりゅうこうしょうの省都、ハルビン。

ここに私は、去年4カ月の留学に行ってきた。そのとき感じたあれこれを、自分自身で振り返りつつ、大好きなハルビンの魅力を発信したいと思って、このnoteを書くことにした。

私のnoteを普段読んでくれている人には、あまり興味がない話かもしれない。そもそも、日本人の大半が知らない場所かもしれない。

でも、何かのタイミングで「はるのがおすすめしてたハルビンに行ってみようかな」とか「全く興味がなかったけど、行ってみたくなった」と、少しでもワクワクを感じてくれたらすごく嬉しい。あとは、あわよくば、これからハルビンに行く予定がある人に、この記事が届いて何かの参考になったら、それもすごく嬉しい。


成田空港や新潟空港から直行便の出るハルビンは、意外にも、日本から4時間あれば行けてしまう。私はすごく驚いた。中国と言えば、広大さからか、かなり離れているイメージだったけど、韓国の真上当たりにあるハルビンは想像以上に近い。

赤い点がハルビン。
緯度は北海道・稚内わっかないと同じくらい。

日本から行った場合の玄関口、ハルビン太平国際空港の国際線ターミナルは、日本の地方空港よりもこじんまりとしている。初めて行ったときは、とんでもないところに来てしまったと、4カ月の留学に急に不安を感じた覚えがある。空港のトイレを見て、「ああ、日本に帰りたい」と思ったことも忘れない。

だけど、4カ月という、現地の暮らしに馴染むには十分な期間を過ごしたことで、ハルビンの生活にどっぷりハマってしまった。初日は「日本に帰りたい」とまで思っていた私が、今では「ハルビンに帰りたい」と思っているくらいだ。

そんな私が、「食」の視点で、私流ハルビンの歩き方を書いてみる。

日本料理か中国料理、どちらかしか食べないとしたら。

よくある2択の選択問題。

私は迷わず、中国料理を選ぶと思う。
もちろん日本料理だって大好き。ハルビンには吉野家があって、4カ月の間に10回以上食べたし、日本人のオーナーがやっている高級すきやきを食べに行ったこともある。急に粉ものが食べたくなってお好み焼きを作ったりもした。海外では割高な日本のソースをわざわざ買ってまで、だ。日本に帰国してから3日間は、毎日お寿司を食べていた。

こんな感じで、日本料理も大好きだけど、それでもこの2択なら中国料理を選ぶ。


中国料理と聞くと何を思い浮かべるだろうか。
麻婆豆腐、北京ダック、餃子、棒棒鶏。

私も中国に行く前のイメージはこんな感じだった。でも4カ月で棒棒鶏を食べたのは1回だけだし、北京ダックはハルビンではなかなか食べられるものじゃない。麻婆豆腐なんか日本にいるときより食べてない。

中国料理と一括りにしているけれど、例えば、北京ダックは北京のもので、麻婆豆腐は四川のもの、というように、地域によって異なる食文化がある。料理の種類の多さから中国の大きさを実感したことが度々あった。日本にいるときと比べれば、中国で食べる麻婆豆腐の方が本場だろう。だけど、私はやっぱり、四川の超・本場のものが食べたくなるのだ。

グオバオロウ、ティエグオドゥン、カオレンメン、ビンタンフールー、チュンビン。
どれも聞き馴染みのない料理名に最初は戸惑いつつも、今私が「中国料理と聞いて、思い浮かぶものは何ですか」と聞かれたら、これらがパッと頭に浮かんでくる。全部、ハルビンにある中国東北地方の伝統料理で、よく食べていたから覚えてしまった。

ハルビンに行くなら、絶対これらを食べて欲しい。

超ローカル料理を堪能

锅包肉(グオバオロウ)
豚肉を衣で包んで揚げて、ネギと甘酢で絡めたもの。夜市には必ず並んでおり、そばを通ると甘酸っぱいタレのにおいが食欲をそそる。

大サイズは20元(400円)くらい。

お店でも食べられるが、何日間か滞在するのであれば、あえて屋台で買うことをおすすめしたい。甘酸っぱい味がくせになるし、小サイズはおやつ感覚で食べられるから、何度も食べたくなってしまう。同じ人のところへ通えば、「また来たの」と覚えてくれたり、サービスしてくれたりもする。だから私は、1週間に3日くらい、朝昼晩のどこかでこれを食べてた。

铁锅炖(ティエグオドゥン)
大きな鉄鍋で肉や野菜を煮込み、トウモロコシのパン生地と蒸し焼きにする。ピリッと香辛料の効いた醬油ベースのタレに具材を絡めて食べる。量がとてつもなく多いから、少なくとも3人で1つ頼むくらいがちょうどいい。

お肉や野菜の種類は自分で選べる。
ジャガイモがおすすめ!

これを食べるとき、覚えておくといい中国語!
それは「猪肉・ジューロウ」。

イノシシの肉!!??

ではなくて、実はこれ、豚肉のこと。中国語で、鶏肉は「鸡肉・ジーロウ」、牛肉は「牛肉・二ウロウ」だから、この2つは漢字を見れば理解できるのだけど、豚肉だけはわかりづらい。メニューを見てお肉の種類を選ぶときの参考に!

冰糖葫芦(ビンタンフールー)
冬の定番おやつ。街の至る所にこの屋台があって、食べ歩きをする人もよく見る。本来はサンザシという、中国ではよく食べられている甘酸っぱい果実を使うのが一般的。最近はいちごやキウイ、マスカットなどいろんなバリエーションがある。

1本6元(120円)くらい。

「日本のフルーツ飴と一緒じゃん」と思った人。

その通り!なんだけど、わざわざ選んだのには理由があって。マイナス30度の世界で売っているから、フルーツが凍ってシャリシャリしてて、これがすごく美味しい。飴の部分はキラキラ輝いて、より美味しそうに見えてくる。「日本でも食べられるし買わなくていいか」と思っていても、いつの間にか買っている。そして、食べ終わった頃には、「次は何のフルーツを食べようか」と考えている。


そんな私から、屋台をより楽しめる中国語を伝授!

「好吃・ハオチー」

「おいしい」の意味。お店の人に伝えてあげたら、きっと喜んでくれるはず。言葉を覚えるのが得意な人は、「とても」を表す「很・ヘン」を加えて「很好吃・ヘンハオチー」と言ってみて!
きっと、笑顔で「谢谢・シエシエ」と返してくれる。


単に美味しいだけじゃない。

このnoteを書きながら、ふと私は、中国の「食」で繋がる交流が好きなんだと気づく。

私は、同じお店に何回も通う癖があるらしい。
特に意識していなかったけど、この間友達から指摘された。振り返ってみると、たしかにそうだったかもと思ったり。美味しかったお店は、美味しさが保証されている。せっかくお金を払うなら美味しいものを食べたいし、美味しすぎるがゆえにまた食べたくなって、無意識のうちに通ってしまう。

いろんな場所でそれをやってたら、行きつけのお店ができて、お店の人と顔馴染みになって、現地の知り合いもできた。

挨拶をし、お互いの体調を聞き合ってから、今日あったことの報告と週末の予定なんかを話して、「また来るね」と伝えて帰る。地元の人がよく行く朝市の情報をもらうこともあれば、行くたびに「寒い寒い」と言っていたからか、手袋をくれたこともあった。最後の方はその人に会うために、ご飯を買いに行く、みたいな、ちょっと不思議な関係性。

こんな感じで、「食」がきっかけで始まる交流が好き。
ハルビンは地方都市だからこそ、日本人の私でも受け入れてくれやすいのだろうか。ハルビンには屋台のような、作っている人の顔が見れてお喋りできるお店が多いからだろうか。
わからないが、こういう「食」の楽しみ方が私は好きだ。

以上、私流、ハルビンの歩き方、「食」編。
おしまい。


他にも、ハルビン氷祭りや、ハルビンの街散歩など、書きたいことが山ほどあるから、気が向いたらそっちも書きたい。


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