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イッツァピースオブヘッドエイク

よう、俺だよ。みんな元気?元気であってくれよ。頼むぜ。俺はな、そんなに元気じゃなかった。やっぱね、体調が良くないと気分も落ち込み気味になるね。俺はね。なんだったら口内炎ができただけで全部持ってかれちゃうもんね。俺はね。

でね、この3ヶ月中1ヶ月半くらいは謎の頭痛に苛まれていたわけ。今はもうあんまり痛くなくなったんだけど、この3ヶ月中の1ヶ月半くらいは謎の頭痛に苛まれていたわけよ。今はもうあんまり痛くなくなったんだけどね。

痛くなったのはある日突然でね。リングフィットアドベンチャーに励んでる時にリングフィットの中で多分一番か二番目くらいにきついバンザイスクワットっていう、こう、足を大きめに開いて腕を真っ直ぐに上げながら腰を太ももを地面と水平になるくらい落としていく苦役があるんだけど。いやこれね、文字に書くよりもずっときついからちょっとやってみて。やれ。今みんな飲んでるか。確実に倒れるな。

それでやっぱり筋トレちゅうのはフォームが命なわけ。だからさ、ちょいちょい微調整しながらやるんだよね。それで腕を真上に上げるために肩をしっかり入れ直して腰を落とした瞬間後頭部に鋭い痛みが走ってなんかそこを中心にじわじわ頭が痛くなるし、脂汗は出てくるしで突然平和な筋トレタイムが終了したわけよ。

筋トレ、しかもスクワットみたいな強度が高い運動中に後頭部が痛み出したって、いくら俺が謎にきついワークアウトの真っ最中とは言ってもこれはもしかしたらイッたか?って瞬時に思うよね。感じたことのない痛みと、止まらない汗と、確かに痛い後頭部。あーやべーと思いつつ、ワークアウトは最後までやったよね、スクワットで分泌された成長ホルモンがもったいねえじゃん。知らんけど。

で、シャワー浴びて湯船に浸かりながらスマホで「後頭部 突然 痛い」とか調べるわけよ。そしたらなんか脳の血管が剥がれるだの切れるだの怖いことしか書いてなくて。帰ってきた奥さんにこうちゃんの頭が痛いのみたいな話をしたらとっとと病院行けってなって急いでそもそもどこにいくかを調べたよ。

いま、しれっと奥さんて書いたけど、あれですよ。別に自分の配偶者に対して奥に引っ込んでろなんて全然思ってないですからね。そこは十分にご理解いただくように。リズム感の便宜上奥さんて書いちゃったんだけど、あれだよね、自分もしくは他人の配偶者をどう呼ぶかって言うのはいまとっても難しい線引きを要求されてるよね。つい、他の人の配偶者を奥さん旦那さんて言っちゃうけど別に奥に引っ込んでろとも思わないし、旦那衆とも思わないわけで。なんて呼べばいいのかわからずにパパパパートナーの方とか言ってはあ?みたいな顔されたりする。

自分の配偶者のことを妻って呼ぶのはうんまあ、妥当な感じはするけど俺の妻がっていうのはなんだかTPOが渋滞してるっていうかとにかくマッチしない感がやばい。「俺」には「カミさん」あたりがしっくりくるけどおめえどこの刑事コロンボだよって感じもするし俺自身のキャラにも全然合わない。トレンチコート着て仕事なんてしてないし、俺はいつも下はユニクロのウルトラストレッチアクティブジョガーパンツ履いて仕事してるからな。ウルトラストレッチアクティブジョガーパンツまじやばいくらい快適で、もしかしたら出社する時以外ずっと履いてるかもしれない。こんなんばっかり履いてると体型はどんどん崩れていくから頑張って筋トレなんかやってるわけだけど。それでもまあ少なくともコロンボはウルトラストレッチアクティブジョガーパンツなんて履かないだろうから俺もカミさんなんて呼ばない。

嫁っつうのもなんだかな。語感的にはマッチするけどすげえ違和感あるし頭の中でピンクのギターを持った新沼謙治が歌い出すのが不可避。他人にお前の嫁とか言われるとなんだかすげえムカつくし、そのままピンクのギターどたまに振り下ろされてえのかみたいな。これもナイナイしよう。

「俺様」に対応するのだったらなんだろう?「女」?いやさすがにないでしょう。自分の娘が「女」呼ばわりされてたらそいつに向かって助走をつけて飛びかかってそのまま一緒に鶴見川にダイブするわ。ちなみに鶴見川にゆかりはねえ。いまふと頭に浮かんだだけだ。第二京浜の橋あたりな。あとなんだろワイフ?ワイフ!?俺様のワイフ!!!!飴色のティアドロップが似合いそうだなおい。

まあいいや、俺様の伴侶である女性の方にとっとと病院行けと言われたのでしこしこと調べてるとそういう時はとっとと脳神経外科でMRI撮ってもらいに行けって書いてあるから調べたらまあまあ近くにに脳神経外科あるじゃんラッキーということで予約入れたよね。

で予約当日、脳神経外科なんて普通あんまり行かないからやっぱり緊張するじゃん。それで検査の結果状態が悪いことがわかってそのまま入院みたいなことになったらどうしようと思って、一応リュックに必要最低限の着替えとかを用意しておこうと、パンツはもう一枚いるかしらとかオロオロ準備してたらそれを見て俺様の伴侶である女性の方がゲラゲラ笑いよんの。あんたこっちはもう必死なのにって思ったけど、その必死な感じが超面白かったんだと思う。

予約した時間に仕事を中抜けしてスタコラサッサと病院に駆け込んだのね。ラン。こうちゃんラン。こうちゃんランインザ脳神経外科。

緊張して待つじゃん。で順番になってとりあえず問診を受けるんだけど、筋トレやってたら頭がビキってなってイッたと思う的なことをベラベラ喋ってたら、血管切れてるかもしんないからMRIねって、速攻で隣の部屋に通されて、やっすいビジネスホテルのパジャマみたいなワンピースに着替えさせられて放射線技師の言うままにごろんしていきなりウィーンって例の機械に吸い込まれたのね。ウィーンされてる途中に終わるまで終了まで15ふんですうぅぅぅって声が聞こえた気がしたけどお前それはごろんさせる前に言っといてくれ的な。

MRIの仕組みってよく知らないけど、色んな音があっちゃこっちゃから鳴りまくってて、特にやることねえからひたすらにそのビートを感じたよね。刻むぜ血液のビート。ハートもふるえちゃうぞ!頭の中で「ミー♪」とか歌ったりね。そんなわけで俺は結構楽しく過ごした。ただ狭所恐怖症の人はアイマスクつけられて耳栓まで入れられた末に穴に吸い込まれたら発狂すんだろあんなの。どうしてるんだろう。

終わったら自動でずろーっとMRIからひり出されて、終わりですよーと声をかけられた。でもハートの震えと血液のビートはそんなに急に止まらないから若干ハイな感じでやっすいビジホのパジャマみたいなワンピースから自分の粗末な服に着替えて診察室に戻った。

診察室では先生が「うーむっ!」って顔で輪切りになった俺様の脳みその輪切りを見てるからややっ!と思ってたんだけど、全部見て一言。「うん、トゥルットゥルだね!」

貴様それは俺様の灰色の脳細胞がトゥルトゥルってことかあああとまた血液のビートを刻み出しそうになったが「脳はもちろん、血管にも傷はないし、変な影もない。それで痛いというのはつまり...」

tsumari...?

「後頭神経痛だね」え、なにそれ。

「なんかよくわからないけど、筋トレしてるうちに変な体制になって首から痛くなっちゃったんでしょ。これはもうしばらくほっとくしかないから特にできることはないね!鎮痛剤要る?」

ウォーク。こうちゃんウォーク。こうちゃんウォークアロング大手私鉄の線路。緊張と診断のギャップにやられて力が抜けてとぼとぼとおうちに帰った。家に帰ると俺様の伴侶たる女性の方はリモートで打ち合わせ中で、俺はリュックに入れたパンツとかウルトラストレッチアクティブジョガーパンツとかをしずしずと棚にしまってた。

打ち合わせが終わった俺様の伴侶たる女性の方が、そんな時にドアから顔を出してきてどうだったと聞くので、ほっときゃ治るって言われたと言ったらまたゲラゲラ笑ってた。別に大ごとじゃなかったんだからよかったんだけど、自分自身のテンションのギュアップにやられてなぜかしょんぼりしていたので俺様の伴侶たる女性の方がゲラゲラ笑う声を効いて少し元気が出た。一緒に住むならよく笑う人、あとお金の価値観が合う人。

まあ、今回俺は別になんともなかったからこんなに余裕ぶっこいてふざけてられるんだけど、やっぱ頭が突然痛み出すのは普通は危ないってのが定説みたいね。MRIって安くて5億くらいするらしいからそんじょそこらにボコボコあるようなもんでもないだろうけど、みんなもうおっって思ったらすぐに脳神経外科探して行きな。こうちゃんとの約束だ。神宮外苑で、俺と握手。

終わろう。今回もマリナさんありがとー!

より長く走るための原資か、娘のおやつ代として使わせていただきます。