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忘れ物忘れ

週の半分ぐらいしか開いてないパン屋の近くに行ったので、良いチャンスだと思い、めちゃくちゃ停めづらい駐車場になんとか無事に車を停め、降りようとしたら財布がないことに気づいた。

前日が休日だったので、買い物に行く際に別の鞄に入れたことを思い出した。朝、家を出る前にあっ!危ね~!忘れるところだった!と思った記憶はある。つまり、それを行動に移す前に何かしら別の行動を挟んでキレイに忘れたのだろう。私は忘れ物が多い。いつものことである。

私は鞄の中が汚いので、底やポケットを浚ってかき集めるとたいてい300円ぐらい捻出できるのだが、あいにく「まともに生きようキャンペーン中」(前述)なので比較的鞄が綺麗だった。無一文だ。

何度も財布を忘れて絶望を味わってきたので、今の私は学んでいる。我々財布忘人(わすれんちゅ)の強い味方は電子マネーだ。スマホでクレカからチャージすれば良い。アナログな地元のパン屋を諦めて、コンビニに行けば何か食べるものが手に入る。

めちゃくちゃ苦労して停めた駐車場から出る。コンビニに向けて走らせながら、おいしいパンを思い悲しい気持ちでホルダーに置いてあったコーヒーのカップを手に取る。口に運んで気が付いた。今朝、ローソン行ったな……

助手席の足元に、財布が落ちていた。

使った財布をちゃんとしまう精神か、車の中を見渡す注意深さか、財布の在処をじっくり吟味する慎重さか、財布使った記憶力か、自分が朝きちんと財布を鞄に入れたことを信じる自信か、どれか一つでもあったらこうはなってないので、呆れてしまった。帰ってから気づいたならともかく、10分足らずで全行程をやっちまったので心の動きが濃くて疲れた。いっつもこんなんばっかだな。

せっかくなのでパン屋に戻った。めちゃくちゃ停めづらい駐車場に一生懸命車を停めた。パン屋のレジで店主が言う。

「一回戻られました?」

「……財布を忘れちゃって……ははは……」

要らん嘘までついちゃった。ぴえんです。


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パンはおいしかった。

今日はここまで。ありがとうございました。



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